面接でのプレゼン

求職などの面接では相手がプレゼンテーションのコントロール権を持っているという点で特異ですが、相手が知りたい事は明白なので、相手の質問に応じて自分の思いを語ることはそれほど難しいことではありません。
ここでは、日本企業と外資企業での経験から、面接プレゼンテーションにおける注意点を整理しました。

質問への応対

面接でのプレゼンテーションの目的は、相手企業にとって自分が如何に有益な人材であるかを理解してもらうことですから、相手の質問の真意を推し量って、簡潔・的確に返事をするとともに他の候補者との違いを印象つけるための自分なりの工夫が必要です。
また、以下の想定問答はポジティブな表現の組み立て方として他のプレゼンテーションの場でも参考になると思います。

あなたについて聞かせてください。
「あなたについて」という漠然とした質問ですが、これはあなたのコミュニケーション力を知るためで、考えこんで答えに時間を取りすぎてはいけません。
面接での質問ですから、当然応募職種に関係の深い職歴、資格、スキルの幅などを強調して自己紹介すればよいでしょう。
なぜ転職を考えているのですか。
転職を考える理由はいろいろあると思いますが、相手の審査基準が公開されていない以上、賃金や人事にまつわる事ではなく、自分のキャリア形成のために、現職では得られないチャレンジの為になどが分かり易い理由でしょう。
ただし、子供の保育や親の介護など特別な理由がある場合には率直に話して、相手の理解が得られるか確認したほうが良いでしょう。
面接は相手企業が自分にとって転職に値するかを確認する場でもあるので最も重要なことは確認するようにしましょう。
あなたがこれまでにどのような成果を上げてきましたか。
直前の職歴で、できるだけ応募職種に近い業務での成果をどのように達成したかの自分なりの手法や工夫を交えて説明するとよいでしょう。
前職や今までの職歴で応募職種に近い業務がない場合は、目標達成の手法や工夫に焦点を当てて説明しても良いでしょう。
あなたの強みは何ですか。
ここは最大のアピールポイントですから、自分の強みを3つか4つ、5つ以上は多すぎて個々の強みが印象に残りません。
その強みをどのように募集職種で活用できるかを含め答えましょう。またこの時、具体例として見せることのできる作品や資料があれば持参して、現物で説明するのも効果があります。
ただし、自分の話に酔ってはいけません。強みを説明しながら相手の顔色を見て、興味のありそうな強みを強調し、興味のなさそうなことは細かく説明しないくらいのメリハリをつける必要があります。
あなたの弱みはなんですか。
積極的な姿勢を示すつもりで「弱みはありません。」と答えてはいけません。完成した人などいないので、弱み=現在の強化努力中の事と捉えて話したほうが、仕事に対する積極性を示すことになります。
もし能力的な弱みが見つからない場合は「応募職種の“経験”は不足しています。」と率直に答えるのも良いでしょう。
あなたはこれまでの仕事に満足していますか。
これはあなたのキャリアに対する計画と積極性に対する質問です。新しい仕事に応募しているわけですから、現職に何らかの不満があるでしょうが、それを不満としてではなく求めている新たな挑戦として積極的な印象を与えるように説明しましょう。
企業によっては「今後3年間であなたはどのように成長したいですか」と直接的な質問をするところもあります。キャリアについては現職で達成したこと、次に取り組みたいこと、そのために何が必要で、それが得られたら3年間で何を達成したいか、自分の考えをまとめておくと良いでしょう。
あなたが、経験した最も困難な状況を説明してください。
ここではまず、自分が原因で発生した困難は除外しましょう。
さらに単に困難な状況を説明するだけではなく、その状況をどのように解決したか、克服したかを具体的に説明しましょう。
困難な状況を誰かの指導の基に克服したのであれば、そのチームリーダーをどのように補佐し、自分の責任範囲をどう解決したかを語れば良いでしょう。
あたかも自分がリーダーであったかのような話をしても見透かされて、別のマイナス点になってしまいます。
現職で不満に思っていることは何ですか。
相手は「現職で」と言っていますが、知りたいのは募集内容の中にあなたが不満に思うことがあるかないかです。
募集内容には相手企業の希望が全て書かれているとは限らないので、答えは応募企業と重ならないように、消極的な事業展開屋や意思決定の遅さなど一般的な不満を上げるだけにしたほうが良いでしょう。
現職への不満より、新たな挑戦のために応募しているという積極的な姿勢を示すことが重要です。
最後に何か質問はありませんか。
面接の最後に来て、相手からこう質問されると、一瞬戸惑って「いえ、何もありません。」と答えてしまいそうですが、ここでもうひと頑張り、自分を印象付ける一言が出ると完璧です。
例えば、なぜ今この職種で募集しているのですか、とか。
採用された場合に、まず取り組むのはどのようなプロジェクトでしょうか、
御社はどのような社風でしょうか、と仕事や会社についての関心を示すとよいでしょう。

すべき事、すべきでない事

事前に応募企業の応募要項だけでなく、会社概要や業界動向を確認し、頭に入れておきます。
服装は好感の持たれる時期に応じた服装、きれいな靴を着用する。
時間どうりに受付に来社を伝えられるよう、面接会場近くには30分前には到着するようにし、数分前に会場に入る。
受付の人を含め当日顔を合わせた全ての人が面接官だと思って丁寧な対応を心がける。
笑顔を絶やさないように。握手を求められたときは、相手が痛みを感じない程度にしっかりと握りましょう。
相手が女性の場合は相手の握り具合に合わせます。
椅子には、勧められてから座りましょう。
相手の目を見て、相手の質問に答えましょう。
「はい」、「いいえ」だけで素っ気なく答えるのも良くありませんが、答えすぎるのもいけません。
相手の話をよく聞いて、ひと呼吸おいて答えると台本の棒読みではない自分の言葉として受け取られるでしょう。
面接終了時には、お礼とともに応募の熱意を再度示しましょう。
例えば「本日はお時間を頂きありがとうございました。募集企業のこと扱い製品の事を伺えて本当に良かったと思います、私の技量、経験を十分に発揮できる仕事だと思ういます。よろしくお願いいたします。」などと挨拶して、席を立ちます。

 

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