私がジョギングを始めたのは、10年ほどスポーツジムに通い、筋力維持の効果はあったものの、体重がある所から一向に減らないことを諦めかけた55歳過ぎの頃、市民ランナーの星と呼ばれる谷川真理さんのランニング指導番組を衛星放送で見たのがきっかけでした。
谷川さんの「ランニングは最低でも30分以上走らなければダメ。」という言葉で、思い当たったのです。
それまでのジムでの運動ではひとつの種目を20~30分続けると次の運動に移ってしまい、同じ運動を続けるということがありませんでした。これが原因だ。汗はかき続けなければいけないんだと。
しかし、運動が不得意な私が30分以上走ることができるのだろうか。これは中学・高校まで遡っても今までにないチャレンジです。
ここでも谷川さんの言葉や他のアスリートの言葉がヒントになって、1時間半~2時間走ることが出来るようになりました。体重もそれまでの限界点を超えて減るようになりました。

全力走と楽な走りを交互に30分以上走る

谷川さんは“始めから終わりまで全力で走るのではなく、ある程度の距離を決めて全力で走ったら、次は楽なペースで呼吸を整えて走り、また全力で走る。”という練習法を勧めていました。これなら私でも出来そう。
何回か試みるうちに、苦しいのは走り初めの20分から30分辺りまでである事が分かり、これを過ぎるムリが効かない代わりに、呼吸が一定になり同じペースで走れることを知りました。

体を前傾して推進力を得る

一時間以上走れるようになると、少しは速く走りたい、少しでも軽快に走りたいと思うようになります。
そこで参考になったのがバルセロナ・オリンピック400mの決勝出場者の高野進さんのテレビ番組での一言でした。高野さんは自身の走法理論の説明の中で“姿勢を前傾すれば、体が前に倒れようとするので、自然に前への推進力が得られます。もちろん、倒れる前にどちらかの足を前に出さなければいけませんが。”と冗談まじにり語りました。
走りながらこの言葉を思い出した私は、ほぼ垂直に立つっていたカラダを前に倒し、というより前方を向いていた頭を4~5m先の地面を見るように、頭を下に傾けました。すると、それまで上下運動のようだった足が前に出るようになりました。
高野さんは“前傾すれば”と簡単に言いましたが、腹筋も背筋も衰えた私の歳ではなかなか難しく、気がつくと姿勢が立っていました。一方、前方の地面を見る、という方法は意識を継続しやすく、地面の起伏に合わせて目で見る位置を、上り坂ではより近くにしたり、下り坂では、より遠くないし水平方向を見る、など状況に合わせた基準を継続して持てるので、姿勢を常に意識して走ることが出来る様になります。

2本の線路の上を行く様に

前傾により前進力を得て走りが軽やかになると、歩幅を広げればさらに速く走れるのではないか、と考えます。
しかし、米国のスポーツ生体力学の専門家の研究では、歩幅を大きくしすぎると、体の上下動が大きくなり、かえってペースが落ちてしまうそうです。
また長距離選手の太ももの開き角は短距離選手に比べて少なく、単純に歩幅を広げるのは効果的でないと思われました。
そこで腰の回転と股関節の開きに注目します。つまり足を踏み出した時に腰も回転させて股関節を前に押し出すと、左右の足を単に前に出した分に、股関節を前に出した分が加わり、太ももの開き角を増やさずに歩幅が広がります。
腰の回転は意識しにくいですが、二本の足が一本線上を移動するのではなく、股関節間の距離分離れた二本の線上を移動するように足を運べば結果的に腰が回転し、歩幅が広がりスピードも上がりました。

ここまで来ると、軽快に走るためにも全身のストレッチが重要だということになります。

 

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