“気持ち”を表す

中学、高校で英語を学んだのは40年以上前ですが、当時の学校英語は私にとって無味乾燥な文法を教えるだけのツマラナイ物でした。戦後の学校教育の誤りの一つは創造性偏重と言うか、基礎となる物事の記憶をおろそかにした事だと思うのですが、文法を勉強するのであれば、文法の基になる実際の英語の使われ方、表現をある程度知っておく必要があると思います。
文法はそれらの表現を整理、体系化し、英語の使われ方に沿った独自の文章を作る(話す、書く)時の道具として勉強すれば興味もわくし、実用性もでると思うのです。
それでは私が現場で集めた英語表現の中で一番助けになった表現から始めましょう。

What should I do.

どうすりゃいんんだ?

学校英語でも私を主語にした文はたくさんありましたが、それらはほとんどI have a book.I go to school.といった類の状態や動作を表現する文で、何らかの行動を起こす(起こさない)という考えを表現するのはI want to go 〜.ぐらいでした。
学校英語で習った行動や状況を表現する英語だけで、米国人と仕事ができるとは思えません。一緒に仕事をするといっても、初めは米国側からいろいろ技術指導を受けなければいけません。多分いろいろな事を聞かなければならないでしょう。
そう考えると学校ではwho is he?Do you like an apple?程度の単純な表現しか勉強していません。
本当に必要なのは、これは〜ではだめですか?とか、
どうしてこれはこうでなければいけないですか?といった表現ができなければ役に立ちません。
考えた挙句、技術指導を受ける前から分からなそうな事を列記して、事前に質問パターンを整理、英語に直しておくことにしました。
しかし、予想できない事態に対処するための質問も用意しなければいけません。
そこで当時会社で英語会話を教えてくれていたB女史に教えを請いました。それがトッテオキの言葉What Should I do?でした。
こんなことがありました、
米国からシアトル経由で帰国する時、乗り継ぎ便が遅れ、予定の便はすでにシアトルを出発していました。
カウンターで確認すると幸い1時間後に成田行きの別便があるとのことでしたが、すでにほとんど満席だと素っ気ない返事です。すかさず私はWhat should I do ?を使いました。
おかげで私は席を確保することができ、予定の日に帰国することができました。
この言葉にはこの後も何度か救われました。

I thought 〜

〜だと思った。
(けれども、そうではなかった。)

学校では、現在形、未来形、過去形といった時制の一つとして過去形を習いましたが、教科書ではI played tennis yesterday.といった動作の過去を表現することが主でした。
このような動作の過去形は現在起こっている事を話題にすることの多い日常会話で使うことはあまり無いように思いました。
しかし、実際の仕事の中で英語を使い出すと過去形が現在の状況とは違ったことを表現するのに非常に使いやすいことを知りました。たとえば、
I thought he did it on time.彼は時間通りにやってくれると思った。(しかし、やってくれなかった。)
という具合です。このほかにも、
I was going to do it.やるつもりだったんですが。(しなかった。)
I was not going to do it.やるつもりは無かったんですが。(やってしまった。)
関連して、
You shouldn't do it.それはしないほうが良い。
You shouldn't have done it.それはすべきでなかった。
というのも覚えておくと役に立ちます。
また、お断りの表現として、
I was interested in 〜.興味はあったんですが・・・
というように、過去形は現在の状況と異なる“気持ち”を表すのに便利です。

In my view, 〜

わたしの考えでは、〜

外国人と仕事をしてゆく中では、自分の考えを説明する事が日常的に起こります。
ここで、学校英語では“考える”=Thinkという置換えが絶対で、結果的に日本人はI think, I think,と連呼することになります。
しかし、“考える”=Thinkとしか言えないのは、どう考えてもカッコ良くありません。
考えるといっても、ちょっとした思いつきから、熟慮を重ねた結果の考えまであります。I think以外に考えを表す表現はないものだろうか?そんな気持ちで相手の話を聞くうちに、view(見えること、視界、見方…)という単語をよく耳にすることに気付きました。
In my view, it is better to do 〜.
What is your view on it?
Let's view it from different angle!

また同じような表現で、
Would you see what you can do?(何ができるか考えてください。)
I can't see.(考えられない。)
もあります。ここでのseeI see.という相槌言葉でも分かるように理解という考えの一部を表現するのに適している事に気付きます。
そこでこの応用として、
How do you see this?(これについて何か意見はありますか?)
という表現をWhat is your opinion?といったカタッ苦しい表現の代わりに“考え”つくでしょう。
(It comes to my mind.)
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