これはこれで良い事にしよう

助けられた言葉

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社会人駆け出しのころ、私は図面を自動で描く機械の制御をするプログラムを開発していました。当時は機械ごとに仕様が違っていたので基本のプログラムを各機械に合わせて手直しする、というのが私の仕事でした。手直し自体は基本がありますからたいして難しくはありませんでしたが、いくつかの変更が影響しあって機械が上手く動かなくなると、プログラム全体を作ったわけではない私には手に負えません。製品を出荷する前に製品の品質を確認する“試験課”という部署によく相談に行きました。

プログラムが完成しないことには試験課も仕事にならないので、いろいろ教えてもらいましたし、納期が迫ると見かねて私の代わりにデバッグ(プログラムの問題個所を発見して、プログラムが正しく動作するようプログラムを書き換える)してくれることもありました。

これはこれで良い事にしよう

これが、そんな時の試験課O係長の口癖でした。

プログラムにはいろいろな機能があります。それを頭から順に確認していては問題を発見するまでに時間がかかってしまいます。O係長はポイントを追いながら、最初から細部に陥りすぎないよう、あるレベルの確認をすると「これはこれで良い事にしよう」と自答して次の個所の確認に移ります。こうして大きな単位で問題を発見して、その上でそこの細部を確認していく、というやり方でした。

困難にぶち当たると、困難の原因(問題)を考えているようで考えが堂々巡りする事があります。一つの問題に囚われず、問題を多面的に考える為に「これはこれで良い事にしよう」とつぶやいてみると頭が切り替わるように思います。

辛い時は

助けられた言葉

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どの言葉から書き始めようかと考え、それぞれに優劣があるわけではないので、実は母の言葉にする事にしました。

母は10年以上認知症で、昨年亡くなりましたが、私が就職して20年近くあまり言葉を交わす事もなく、気が付いた時にはボケが進み、しばらくして私を認知できなくなりました。という事でこの言葉は数少ない母の言葉の一つです。

辛い時は、皆辛い、自分だけが辛いと思うな

大学受験に失敗し、実家の居間の畳の上でフテ寝をする私に背後からこの言葉が浴びせられました。バツも悪く、私は言葉を交わさず2階に逃れました。

予想された受験失敗ではありましたが、いざその場になると友達の中で自分一人が受験に失敗したという事に囚われ、そこから抜け出せませんでした。「皆辛い」という言葉で受験失敗を客観的に見れるようになり、さてどうしようか、という方向に考えを向かわせてくれました

助けられた言葉

はじめに

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派遣労働の問題点として1)契約期間終了時の失業対策、が事前に整備されていなかったという事が昨年来の派遣切り騒動で明確になりました。しかし、現在の派遣労働の問題はそれ以外に2)技術習得のあまり必要ない細分化された仕事しか与えられないので、就業機会を広げる知識も経験も身につけられない、という事が根本的な問題としてあるでしょう。

高度成長期には、新規事業など業務の幅が広がることもあり、入社時の研修だけでなくオン・ザ・ジョブトレーニング(OJT: On the Job Training)と呼ぶ、仕事をこなしながら先輩から指導を受け、仕事を繰り返す中での技術習得がありました。企業は給料を払いながらOJTを行う余裕があったし、専門知識や技能を企業内で伝承する事が出来ました。わたしはあまりまじめに先輩の助言を聞く方ではありませんでしたが、OJTの中でいくつか教わり、お陰でいろいろな仕事をこなす事が出来ました。そして仕事を変わっても何とか適応し、現在に至っています。

もう少し範囲を広げると、親や、学校の先生から受けたアドバイスもあります。それぞれの言葉は名言とは言えないかも知れませんが、私には助けになりました。時間の経過とともにアドバイスをいただいた方の中にも鬼籍に入られる方が出ています。そこで記憶に残るアドバイスを「助けられた言葉」というカテゴリーで書き残し、助言をいただいた方へのお礼になればと思います

ウォシュレット

提案!

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15年近く使ったウォシュレットが壊れました

肝心の温水を作り、溜めておく温水容器にヒビが入って、水が漏れノズルから温水が噴き出さなくなっていました。

「製造中止になって長いので、交換部品がありません」

という事で、買い換える事になりました。最近の物は温水を容器に溜めずに、ノズルから噴射する前に直接加熱するので温水容器は付いていないので同じような故障は起こらないそうです。15年の進歩は大きいものです。

お役御免になってしまったウォシュレットを分解(左の写真)して驚きました。温水容器や伸縮するノズル、電子回路を3層に重ねた部品が2つ、温風や脱臭のために空気を送る小さなブロアーが2つ、各種の部品が便座と水タンクの間の僅かな空間に立体知恵の輪のように押し込まれ、その間を無数の電線が走っています、まるでコンビナートを空から見るようです。多機能をコンパクトにまとめる苦心を重ねた設計の跡を垣間見る思いで、しばし分解した部品を順に点検しながら、複雑に関係した部品の組み立ての巧みさに感心してしまいました

1990年後半米国資本の企業で働いていた時、来日した技術者がホテルでウォシュレットを体験して、新築中の自宅に買って帰りたいと相談されたのですが、配管の径とネジのピッチが合わないという事で断念しました。しかし暫くして北米でも販売されるようになったと聞きました。

新しいウォシュレットは快調です。基本的には同じ機能なのですが肌に当たる温水に気泡が混ぜてあるような柔らかい感じがします。機器の容量も小さくなり便座と一体になってスッキリしています。15年の進歩は大きいものです。元々は米国の発明品の国産化から始まったそうですが、改良に改良を重ねた、複雑な設計とそれを製品にする製造技術、まさに日本の得意芸の典型でしょう。

やはりこの日本の潜在力を信じて、生活を快適に、豊かにする商品が開発されることを期待したいと思います

付け焼刃

社会問題

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新聞によれば、政府・与党は「緊急人材育成・就職支援基金」(仮称)の創設を目論んでいるそうです。これは就業期間が規定月数に足らず失業手当がもらえない人に、職業訓練の受講を条件に月10万円程度の生活費を支給したり、失業と同時に住まいを失う人に住宅手当を支給する制度のようです。一見雇用保険と生活保護の隙間を埋める温かい制度のように思われますが、1から3年の時限的な措置だというのです。

時限的措置と言うのは、1から3年で廃止になる制度です

政府・与党は企業に対し労働市場の規制緩和を進めた一方で、派遣社員に代表される労働者の失業時の公的支援制度の充実を怠りました。それを棚に上げて今は100年に一度の不景気だから緊急避難する事が重要だと、言いたいのでしょうか。これは緊急対策に名を借りた「目くらまし」としか思えません

労働者の今の不安は一時的な不景気に対する不安ではなく、グローバリゼーションにより中国、インドをはじめとした労働コストの安い国々と労働市場が一体になり、従来の終身雇用を企業が保証できなくなった現在、今失業していればもちろんですが、誰もが失業の不安を抱えており、且つ失業時の国の公的支援がほとんど頼りにならない事を知ってしまった不安なのです。そしてこれは景気が回復しても今のままでは誰もが持ち続けることになる不安でしょう。

将来の安心に向かう方針が示されてはじめて、緊急対策は(新たな借金をしても)やはり必要だと賛同を得られるのではないでしょうか。

「付け焼刃」とは切れ味の良くない刀にハガネを焼き足した物で、すぐに切れなくなって使い物にならなくなってしまう物の喩に使われます。やはり切れ味のよい刀を作るためにはしっかり地金を鍛え上げてもらいたいものです。今まで労働者、雇用者が共に収めた雇用保険料のうち失業手当以外の多くの資金が厚生労働省所管の各種団体に支払われてきたのですから、各団体の存在意義を今こそ示す、将来の安心が期待できる方針を聞かせてもらいましょう

エルメス

お勧め

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銀座5丁目のエルメス銀座店(左写真)5にあるミュージアムを偶然訪れました。ガラスブロックに包まれた特徴のあるビルではあれど、ビル自体はそれほど大きくありません。

受付で「荷物をお預かりします」と言われ、それほど時間もかからないだろうと思いつつ、せっかくだからと手荷物を預けました。

オーディオガイドをご利用になりますか?

ガイドを聞くほどいろいろな展示があるのだろうかと、思いつつ折角だからと丸みを帯びた小ぶりの白い携帯オーディオを借りて、首からかけようとすると、

展示効果の為に、白衣を着用いただくようお勧めしています

白衣を着てオーディオガイド器を首から下げヘッドホンをした姿をおかしく思いつつ、何事も経験、白衣を借りました。なんとその白衣は大学の実験の時に着た薄っぺらな白衣と違い、白いコートと言うべきもので、背中には大きなエルメスのロゴが刺しゅうされています。“これは何か違う”と思いながら、入口をはいると確かにミュージアムは外壁のガラスブロックと調和する白で統一され、白衣を着る意味が理解できました。“これがエルメスのこだわりなんだ!

エルメスは19世紀初頭に馬具の製作を始め、ナポレオン3世やロシア皇帝などを顧客として発展したそうで、数は多くありませんがその当時の工芸品のような器具や装飾品が展示されています。

驚きは20世紀に入って、馬車が交通機関として衰退し、自動車が登場してきたときに、エルメス3代目のエミールが30歳前半にもかかわらず人の移動手段の変化を予測し馬具の皮革加工の技術を使って、丈夫で質の良い鞄の製作を始め、手袋や財布などに発展させたという所です。

多分、自動車の普及とともに衰退した馬具工房は数多かったでしょう。その中で新しい分野を開拓し、自分の世界を築いたエルメスの企業家精神、そして自社のブランドを確立するための徹底したモノ作りには感心させられました。そしてこのミュージアム、この白衣もそのブランド強化の手段なのだと気付きつつ、脱いだ白衣を受付に返しました。

ミュージアムは土曜日のみ公開だそうなので、一度訪れるのも一興と思います。

スーパーエコシップ

社会問題

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416日に日本郵船が未来の船「NYKスーパーエコシップ2030」を発表しました。これは海上輸送におけるCO2排出削減(現在比69%削減)を目標に2030年の実現を目指すコンテナ輸送船で、現在商業化されていない技術も盛り込む計画です。興味がわいたのはエネルギー源を重油から燃料電池に変えるだけでなく、太陽電池、さらに風力までも利用しようという所です。左のイメージ写真でも特殊な形をして帆が数多くみられます。

既に実験レベルでは太陽電池や風力をエネルギーにする船はありますし、欧州では国際輸送会社DHLがドイツとベネズエラ間の貨物船で風力を補助(パラシュートのようなものを使う)にして燃料消費を1035%削減することを目指しているそうです。

船の歴史はエネルギー効率の歴史ともいえるようで、海流に乗った航路の設定などいろいろな手段が利用されていますが、将来もう一度帆船の時代がやってくるのかと思うと楽しくなります。タンカーだとかコンテナ船だとか、規格化された船だけになってしまった現代ですが、もう一度カラフルな帆を持った船が海を行き交うのもそう遠くないかも知れません。横浜やお台場付近の風景も変わるでしょう。

となると、先日英国の客船クィーン・メリー二世号が横浜に寄港しましたが、船の全高(62m)が高すぎで、ベイブリッジ(最大海上高60m)をくぐることができず、横浜の大桟橋ではなくベイブリッジ手前のコンテナ船や自動車専用船用の大黒ふ頭に接岸しましたが、新帆船時代に吊橋にさえぎられて接岸できない桟橋が多く出るかもしれません。

ベイブリッジは当時世界最大の客船クィーン・エリザベス二世号の全高52.2mに余裕を加えて設計されたそうですが、時代の変化は常に人の予測を超えて非情です。しかし一方、別の周期で昔の物が新しい形で再生するというのは面白い事に思います。ましてエネルギー効率では鉄道と共に優れた輸送手段である海運が語る夢に期待したいと思います。

日本の海運

ちょっとした対策

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「海運・航空と環境問題」という特別展示を419日まで行っている横浜馬車道の日本郵船歴史博物館に行ってきました。特別展示は地球温暖化防止に対する主に海運としての取り組みを紹介する地味なものでしたが、日本郵船の社史を通し近代の日本海運の歴史を紹介する常設展は実物展示、ビデオ解説、船の模型を交え見ごたえのあるものでした。

日本郵船は船舶数規模、売上高日本1位、そして世界第2位の海運会社ですが、三菱財閥の岩崎弥太郎が1870年に始めた海運業に端を発するそうです。しかしその歴史は波乱万丈で、そもそも創業が開国後アメリカ、イギリスの海運会社に独占されていた日本の海運を自らの手に取り戻す決死の覚悟だったようです。そして独自の海外航路を開設し、それまで独占によって押しつけられていた法外な運賃を適正化し、日本の貿易による発展の前提を作り、以後日本の発展と共に世界の船会社としての地位を確立していったそうです。

日露戦争では、日本郵船の貨客船が九州西方沖でバルチック艦隊をいち早く発見し、東郷元帥率いる連合艦隊が圧勝する事が出来た、という事で東郷元帥からの感謝状が展示されていました。まさにソマリヤ沖の海賊が…などというレベルではなく海運と戦争は切り離せない状態が続いたようです。そして太平洋戦争、なんと所有船舶222隻のうち185隻(83%)を失い、社員も43%の5,312名が亡くなられたそうで、壊滅的状態になった訳です。

しかし、その状態から我々の知る高度成長を経て現在にいたる復活を遂げた訳で、並々ならぬ努力があっただろうと思います。そしてそれに比べれば100年に一度と言われる経済危機も、何が問題で、何をしなければいけないか、冷静に考えなければと思いなおします。

こうして常設展から特別展に移り地球温暖化防止なのですが、全世界の海運が排出するCO2は世界全体のCO2排出量のわずか2.7%しかなく比率は少ないのですが、スクリューの推進効率を高める援助装置を開発したり、海流に乗って航行し燃料を節約する等の努力を続けているそうです。そしてこの後日談として16日に2030年を目指したスーパーエコシップが発表されました。これについては次回に回しましょう。

ワークシェアリング

提案!

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最近、ワークシェアリングという言葉を見るようになりました。

説明では“仕事と家庭の両立を図るため、「雇用」、「賃金」、「労働時間」の適切な配分を目指すもの”などと言われています。中には“仕事を分け合うことによって、失業者を救済し、雇用を拡大させる”などの胡散臭い説明もあります。

サラリーマンは長いあいだ兼業禁止でした。それが突然のようにワークシェアリングなどというカタカナ語を使い、新しい働き方であるかのように登場しました。しかしこれは昨今の景気状況から正社員の雇用調整として、労働時間を短縮しそれに見合う賃金の減額を行う事を目的としていることは明らかでしょう。

とは言いながら、仕事もないのに社員を遊ばせておいて支払う金はない、という会社側の事情も分かります。しかし週のうち1日会社に来なくてよいから、給料を4/5にする、というのも机上の空論です。そう言われた社員が給料の不足分を稼げるか、それも週に1日働いてくれれば良いというような都合の良い仕事が見付けられるとは思えません。ましてや業務情報漏えいの無いように会社の現業に関係ない仕事であること、などという制限が付けばまず不可能でしょう。

一方で今までの仕事の仕方で仕事と家庭の両立が可能かと言えば、正直そうではないと思います。都会では早朝の通勤ラッシュに始まり、夜の10時過ぎでも蛍光灯の消えないオフィスは珍しくありません。残業せずに予定の業務はこなせない、他社との競争もあるし、海外の追い上げだって厳しいんだ、ワークシェアリングなんてとんでもない!

雇用調整、仕事と家庭の両立、厳しい企業間競争、これらをまとめて解決する働き方が求められているのは事実です。最近思いついたアイディアですが“3年働いたら半年休む”というワークシェアリングはどうでしょうか。3年間企業戦士として働けば、仕事もまとまりを付けられるでしょう。半年あれば子供の成長を時期ごとにしっかりと見守る事も出来るでしょう。ポイントは半年間仕事から離れる事です。次の飛躍の準備もできるでしょう。その間に別の良い仕事に巡り合えるかもしれません。会社は1/6の賃金抑制が出来ます。もちろん政府には休暇中の給与は雇用保険から支払ってもらわなければなりませんが。

「将来」の選択

心構え

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日本の高度成長が始まった1959年、都会で働く人々が住む町と言う意味でベットタウンという呼び名が使われ始めたころ、私の一家は東京から千葉の北西部、流山市(当時は町だった)のはずれに引っ越しました。町外れと言っても近くに常磐線(じょうばんせん)の駅がありました。この常磐線は茨城県と福島県の県境周辺にある常磐炭鉱で産出される石炭を東京に運ぶ目的で1895年ごろから建設がはじまり1905年に全通した路線です。新橋・神戸間の東海道線が開通したのが1889年ですから、まだ鉄道網の発達する初期段階に開業した路線だと思います。

その流山は江戸川と利根川に挟まれた地帯であり、古くから江戸への水運で栄え、味醂(みりん)など醸造業でも有名だったそうです。そこに降ってわいた鉄道敷設、今であれば土地が値上がりして、町も発展、万々歳となるのでしょうが、当時は蒸気機関車の時代、火の粉が茅葺屋根に飛び火して沿線の家が火事にあうなどの被害もあり、鉄道敷設反対派が多数を占めて、結局常磐線は流山を避けて隣町を通る事になったそうです。しかし、鉄道が開通すると物資輸送は鉄道に奪われ、特産品の出荷には距離を置いた駅まで運ばなければならず、鉄道路線から取り残された流山は1913年町民の出資で流山軽便鉄道を設立、1916年常磐線に接続する流山・馬橋間(現流鉄流山線)の運行を開始する事になったそうです。

話変わって、現在私の住む地域からさほど遠くない場所にあった工場跡地の再開発が急にあわただしくなりました。以前大型スーパーを中心に専門店などの複合施設の開発が計画されたとき、近隣の住民は住環境が荒らされる、道路が渋滞する、と反対しその案は立ち消えになったそうです。ところが最近大型パチンコ遊戯施設の建設許可が下りて、住民は寝耳に水、何はともあれパチンコは絶対反対!となっているようですが、はたしてこの地域の将来やいかに?

人生の選択が難しいように、地域社会の「将来」の選択にも時代の変化を見極める長期の視点が必要のようです

三つあります

ちょっとした対策

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仕事で一緒になった米国人と話していて勉強になった事があります。

何でそのような話になったかは思い出せないのですが、会議などで何かの問題について意見を求められた時、どう話し始めたら良いだろうかという話でした。

私は当たり前に、話が食い違わないようにまず理解した問題を要約して、確認を取った上で…と言ったのですが、彼は全く違った考えでした。

彼曰く「まず、それには3つのポイントがあります」と言う。そして一つ目の話をしながら二つ目として何を言おうか考える、一つ目の話で間が持たなくなったら「二つ目には」と言って話題を続ける、と言うのです。

三つ目はどうするの?と聞くと、「二つ目までに相手との接点が見付けられなければ駄目だ」と意に介しません。そこで相手が「三つ目は?」と聞くこともあるだろうと言うと、

「あ、三つ目、ん~何だったかな、次回までに思い出す。」とでも言うさ、というのです。人を馬鹿にした話のようですが私はその後、社内の会議などで彼がこの手を使ったのを目撃しました。

あまり不用意に乱発してはいけませんが、「三つあります」は確かに効果があります。日本人はとかくダラダラと話しがちですが、これでは何を言っているのか分からなくなります。相手の印象にも残りません。

意見の内容も大事ですが、意見を発言する時の明快な話口は自信ある印象を相手に与えるので重要です。その為に「三つあります」で話し始めるのは、多少まとまりの無い意見でも発言を型(フォーマット)にはめられるので効果があります。これが二つではさびしいし、四つでは間が抜けます。これはそれほど難しくなく二つ半ぐらいの話でも三つに再分割すれば良いのです。

レポートなども米国人はフォーマットを重視します。あたかもフォーマットが良ければ内容も良い、と考えているようです。外見だけが重要なわけではありませんが、確かに外見も重要と考えた方が良いかもしれません。

財政赤字対策

社会問題

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東京都の下水道局が職員の制服に縫い付けるワッペンを作りましたが、デザインが都の内規に違反している(水色の波線が文字の下に入っている)事が分かり、新たに約3400万円をかけて作りなおした、という事が報道されました。これが公務員の金銭感覚なのでしょうか。当初のワッペンのデザインを決めた部長と課長は訓告処分されたそうです。しかし、訓告とは公務員の懲戒処分のうちでは二番目に軽い処分で、戒告や減給などの法律上の処分ではありません。「君ダメじゃないか、二度とするんじゃないぞ!」程度の処分です。案の定、誰も3400万円を弁償するわけではありませんでした。東京都民でなくてよかった、と言うべきでしょうか。

ところでこのワッペン、約3000人の職員に約2万枚、作ったそうです。一人に6枚半、1万1千円。制服に付けるワッペンにこれだけの費用を掛ける民間企業があるでしょうか。このようなワッペンを作ろうと決めた人たちの金銭感覚が既に民間人のそれと大きく食い違っているのです。

国も地方も赤字財政だ、というのに、公務員は親(納税者)の限度額なしのクレジットカードを思いのままに使ってしまう子供のようです。一度皆さん退職いただいて、「収入の範囲内で、お金を有効に使う」という感覚の人だけ再雇用するしかないのではないでしょうか。

有名な「私のしごと館」のように、利用予測と大きく違った高速道路のように、当初の使用目的がなくなっているのに建設続くダムのように、結果に責任を取らない公務員(公団職員含む)が限度額なしのクレジットカードを思いのままに使い続ける限り、いくら増税しても国、地方の借金は減らないでしょう。カード破産者と同じようにまずクレジットカードを使えなくすることが先決です。特殊法人や公共法人のうちどこを解散して、どことどこを統合する、という議論ではなく、破産寸前の会社と同じなのですから一度全部白紙に戻し、なくてはならない物だけ、それも最小限の範囲で活動させる、ぐらいの気構えが必要と思います。

ハイブリッド車

提案!

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自動車が売れない中、ハイブリッド車が快調に売れているそうです。政府も減税措置を拡大しているのも、新技術の支援という意味で良いのでしょう。そのような風潮に水を差すわけではありませんがハイブリッド車の特性というか限界を理解していないと、いざ乗ってみてガッカリという事にもなりかねないので、先日北海道でハイブリッド車をレンタカーで借りた経験を含め報告したいと思います。

そもそもハイブリッド車はモーターとエンジンを動力源にしていますが、モーターは低速から中速まで、高速ではやはりエンジンの力で走ります。メーカー自身「新型は電気出力が増えて70キロまで電気モーターだけで走れる」と発表しています。逆にいえば70キロ以上ではエンジンで走る普通の車だという事です。

ハイブリッドの良さが出るのはやはり都市部の渋滞や信号待ちの発信停止の多い地域です。このような時には主にモーターによって走り、エンジンはバッテリーの充電用にしか運転されないので燃費が非常に良くなります。また始動時、低速時はモーターで動くので静か、都会の密集地での早朝や深夜には気兼ねなく車を動かせるという利点もあるでしょう。

さて、ハイブリッドの苦手の高速、と言っても運転した旧タイプのハイブリッド車は60K前後からエンジン駆動になったので、高速はもちろんほとんどの北海道の道路ではエンジンで走る事になってしまいました。今回500Km程走って平均の燃費はリッター15K程度と思われるので、同排気量のエンジン車と比べて特に燃費が良いとは言えないと思います。北海道に限らず道路事情の良い地域では日頃どのくらいの速度で運転できているか思い返してハイブリッド車の利用を考えると良いのではないでしょうか。

最後にこのハイブリッド特徴を生かすために政府がバス会社にハイブリッドバスの導入を指導してはどうでしょうか。都市部の路線バスは高速で走る事もなく、信号待ち、バス停間隔も短くと正にハイブリッドの独壇場です。一律の減税や省エネ自動車の普及促進補助金も良いですが、経済対策の形を借りてより過ごしやすい社会作りを進めるのも、一石二鳥で良いと思います。

新経済対策と内需主導経済

提案!

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15兆円規模の大型新経済対策を政府がまとめました

新年度になっても経済の復調は見えず、正社員の人員整理さえ一部企業では始まっています。ひどい経済状態であるのは十分承知していますが、15兆円と聞くと、どこにそんなお金があるのかと驚いてしまいます。そのうち10兆円は国債という名の借金です。2、3年後に消費税を上げて返済すれば良いと政府は考えているのでしょう。問題は15兆円の中身です。

「日本の輸出依存の経済が悪い、内需主導の経済に移行しなければ」と景気が悪くなり始めた昨年秋、皆口をそろえて言っていました。はたして15兆円の使い道に内需主導経済に移行するための施策がどの程度入っているのでしょう。そもそも過去30年、内需主導経済が叫ばれながら実現しなかった理由はなんだったのか、政府は、さらに野党を含めた政治家は分析して理解しているのでしょうか。

目的が変わったと首相が認めたにもかかわらず、当初のまま支給される事になった特別給付金にはじまり、その場限りのお金のバラマキで内需主導の経済が実現するのでしょうか。今度はエコカーや省エネ家電への買い替え補助だそうです。より直接業界支援をしようという訳です。そんな目的のために「低炭素社会実現のため」などという聞こえの良いお題目を掲げないでもらいたいものです。この経済対策は借金です。国民が後から返済しなければいけないのです。今回こそ、なぜ日本が内需主導経済にならないのか、なぜ日本は国内総生産世界第二位の豊かな国でありながら、国内消費は企業を支えるほどに大きくない。要するに国民が所得ほどには消費しないのはなぜか、原因を共有して、そのうちいくつかだけでも対策するためにお金を使ってもらいたいと思います。

私が思う消費が膨らまない原因は次の3っです。

1.  失業保険も年金も、それだけでは生活できないので貯金をしなければならず、消費にお金が回らない。

2.  重い病気や入院時には自己負担もあるので、民間保険に入っておかないと不安で、消費にお金が回らない。

3.  民間は会社の業績によって給与カットさえあるので、いざという時の為に貯金をしなければならず、消費にお金が回らない。

今回の経済対策ではこの3っの原因は解消出来そうにもありません、残念。

燃料電池 その2

社会問題

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家庭で燃料電池を使う素晴らしい点、まず一点目は電球を発明したエジソンの話から。エジソンは発明家として知られていますが、野心的な事業家でもありました。彼は白熱電球の発明と時を同じくしてエジソン電気照明会社を興し、発電機を発明して発電所を作り、送電線を敷設して電灯をつけるというシステム全体を事業化しました。しかしこの事業はあえなく失敗します。これは彼のシステムが直流で電気を送電したため送電ロスが非常に高かったためと言われています。このためその後、送電ロスの少ない高電圧の交流が送電時には利用されるようになりました。しかし火力にしても原子力にしても発電所と消費地間は離れているので、送電ロスをなくすことができません。そこで消費地(家庭)で発電すれば送電ロスは無いという事になります。

二点目は熱の利用です。タービンや発電機の進歩により最近の発電所の熱効率は50%を超えていると言われていますが、逆にいえば50%前後の熱は回収しても利用方法がないので廃熱として捨てられています。一方燃料電池は発電効率が発電所の場合ほど良くないものの地産地消の性格から廃熱を捨てずにお湯が沸かせるので、給湯を含めた総合的な効率は大幅に向上します。つまり家庭にとっては経済的だし、全地球的には二酸化炭素の排出量を抑制できるという事になります。

このように家庭での燃料電池利用はいろいろなロスが減って経済的で、二酸化炭素の排出も少ない良い事ずくめなのです。と、ここでハタと新たな悩みが浮かびます。家庭での燃料電池利用は良いのですが、究極の自動車、燃料電池車では問題ないのでしょうか?車の中でお湯を沸かしてもあまり用途がないので、多分大気中に熱を捨てるという事になるでしょう。もちろん今の自動車自体エンジンでの発熱は大きいので変わりは無いのかも知れませんが、二酸化炭素の排出はなくても、排出される熱の環境影響まで考えないと究極の自動車とは言えないようです

燃料電池 その1

社会問題

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石油を燃料とする自動車に代わり、究極のクリーンエネルギーとして燃料電池車が考えられています。正確には燃料電池で発電した電気でモーターを動かす電気自動車です。しかし単なる電気自動車と違うのは、火力発電所などで化石燃料を燃やして発電した電気を蓄電池に移してエネルギー源にするのではなく、燃料電池で発電するので化石燃料を使わず水しか排出しないという点で、究極のシステムだという訳です。

細かい事を除いて、中学校で実験した水を電気分解し水素と酸素が出来る、という反応の逆で水素と酸素を反応させると水と電気が出来るという訳です。燃料電池自体の原理は意外と古いようなのですが、私が燃料電池を知ったのは米国のアポロ計画で宇宙船に搭載された時でした。いかにも高度な技術で別世界のように感じました。

あれから約40年、今年はこの燃料電池が家庭でも使えるようになります。東京ガスがエコファームとして5月から発売するそうです。

燃料電池を使った試作車はまだ1億円もして到底市販は無理ですが、家庭用はいち早く市販される、まさに快挙!

しかしガス会社が何で燃料電池なのでしょう。問題は水素です。水素は非常に燃えやすく、扱いが石油以上に難しい事です。アポロ計画でもアポロ11号の月着陸が成功したあと、アポロ13号が月に向かう途中で燃料電池の水素ボンベが爆発して月着陸を断念、必死の普及作業で九死に一生を得て地球に帰還しました。これはトム・ハンクス主演でアポロ13号という映画にもなりました。それに水素は単体では存在せず炭素との化合物状態で存在するので、実際には各種の炭化水素を分解して水素を得る事になります。ここでガス会社の出番となるのです。

都市ガス各社が供給している天然ガスの主成分はメタンで、メタンはあらゆる炭化水素のなかで炭素原子1個あたりの水素原子の個数が最も多い物質です。都市ガス(天然ガス)を燃料電池の水素源とするのが最も効率的で、水素を取り出す事により発生する二酸化炭素(CO2)の量も最も少ない、という訳です。

宇宙技術と思っていたものが家庭でも使える、70年代の「輝かしい技術」の時代を思い出すようです。その上、家庭で燃料電池を使うのは2つの素晴らしい点があるというのですが、長くなるので、その点は次回にしましょう。

ASAP

ちょっとした対策

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ASAP、英語でAs soon as possibleの略で、直訳すれば何かをお願いする時の「至急お願いします」という意味です。日本人はこれが好きのようで、参考配布(CC)された若い人のEmailにはよく見かけます。しかし日本語に訳した時の意味は「可能な限り早く」でも、欧米人と仕事するようになってASAPはあまり効果がない事に気が付きました。例えば「仕事上の返事をASAPでほしい」とEmailで書いても、こちらが思うように素早い返事をもらえた事がありません。そういう事が何度か続き、逆に彼らのEmailを見直してみると、同じような場面でASAPと書いてある事がほとんどありませんでした。

いろいろ考えた末ASAP彼らの感覚では「可能になったら早目にやって」くらいの強さしかないのだろうと理解しました。そして彼らの書き方を真似て、それ以後はASAPの代わりにby the end of this week(今週末までに)とか、by your EOB tomorrow(明日のあなたの終業時までに、EOB=end of business)など、期限をはっきりと書くようにしました。これは上手くゆきます。返事をくれる可能性は高いですし、万一返事がもらえなかった時に催促しやすくなります

欧米人に「阿吽の呼吸は通じない」と言いますが、阿吽の呼吸にも種類があって、相手が自分の問題意識、時間的切迫感を察して、こちら側の思うように動いてくれるはず、という自分勝手な阿吽の呼吸を訪米人に求めるのは、もともと無理です。だからASAPと書いたのに、梨のツブテだと言って腹を立てるのはナンセンスです。そうではなくもともと自分のお願いしたい期限とその理由をはっきり説明し、協力を求めると良いでしょう。

英語が出来ることと、英語で仕事が出来る事は違うと言いますが、外国人と仕事をする時には、日本人の感覚を前提にするのではなく、相手の外国人の感覚や生活習慣を確認しながら、話を進めると良いようです。

 

公人と私人

心構え

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先日、当選した新千葉県知事は自身の公約の実現性を記者に問われ、「恋愛してるときにふられることを考える人はいないでしょう。おれはやると言ったらやるんだ」と、意気込んで答えていました。確かに個人的な恋愛においてポジティブ発想は大いに結構です。最近の恋愛億病症の青年に良く言ってあげてほしい。しかし、知事としての発言として、これはちょっと無責任、少なくとも恋愛を例に引くのは適切ではないでしょう。当選した以上、公約の実現に向かって日夜努力する訳ですから、どのように公約を実現するかを語る義務があるでしょう。

夢がなければだめでしょう、というような事も言われていましたが、4年間の県政を託す県民を「夢」の一言で煙に巻いて良いのでしょうか。選挙民は公約を幻想ではなく、実現する計画として受け取り、実現した計画によって豊かになる、幸せになる事を信じて投票します。公人にならんとする人は、公人としての言葉の重みを分かっておいてもらいたいものです。

一方、民主党は小沢一郎氏の代表続投、で落ち着いてしまったようですが、民主党の「政権交代」という目標はどうなってしまったのでしょう。小沢一郎氏の秘書が政治資金規正法違反に問われ逮捕されたからといって小沢氏が罪に問われたわけではないし、小沢氏の断固戦うという姿勢も理解できないわけではありません。もし小沢氏が私人であれば、小沢氏の姿勢を支持し事の真相をはっきりしてもらいたいと願います。しかし小沢氏は自ら民主党代表として公人であり続けようとしており、この事と検察と断固戦うという姿勢は両立しないと思います。

民主党の期待通り次回選挙で民主党が政権をとれば民主党代表は首相として重責を負う事になります。日々数多くの判断を求められる首相が、同時に裁判を戦い抜く事が出来るのでしょうか。公人としては起こりそうな事を予測して適切な対応をしてこそ、信頼を得るはずです。代表続投を政権奪取の意欲なし、と感じてしまう人がいることも踏まえ民主党は判断すべきなのではないでしょうか。それだけ公人としての行動は重いのだと思います。

国際ハブ空港

提案!

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羽田と成田をリニアモーターカーで結んで成田を国際ハブ空港にしようという構想があります。たしかに扇の要の役を果たすハブ空港は各地に航空路線網を張り巡らす上で重要ですし、アジアの各地を結ぶ国際ハブ空港を日本が持つ事は、今後の日本にとって非常に重要です

例えば、北海道からアメリカに行くのに成田ではなく、韓国の仁川(インチョン)経由の方が便利で、安いとなったら、どうでしょう。利用者はそれで良いとも言えるでしょうが、航空権益の何割かを外国に渡してしまう事になります。国際海上コンテナ貨物輸送においては、既に韓国の釜山(プサン)が国際ハブ港となり繁栄しています。

しかし、だからと言って羽田と成田をリニアモーターカーで結べば国際ハブ空港が誕生するかと言えば疑問です。羽田と成田、国内線と国際線分かれている事よりも羽田自体が使いにくい空港であるのが問題でしょう。つまり羽田空港の背後には首都圏1都8県、伊豆半島から東京西部、新潟、八ヶ岳付近まで広がる米軍管制下の横田管制空域があり、これこそが羽田が国内線、国際線を同時に持った機能的なハブ空港となる障害になっていると思います。

この首都圏の西半分を占める横田管制空域は、米軍の許可を得なければ民間機は飛行できません。そのため羽田から西日本方面に向かう航空機の多くは、東京湾上空で余分な旋回をして高度を上げ横田空域上空を飛行しています。私の推測ですが羽田の航空輸送量の増加に対応する上で、この横田空域がある為にそれでなくても過密な羽田の拡張ではなく、首都圏から遠く離れ横田空域の影響を受けない成田を新設し、国際線用としたのではないかと思っています。

つまり、首都圏に近接する横田基地を中心とする横田空域を解消し、羽田空港自体を拡張すれば、国内線と国際線を空港内で乗り継げる機能的な空港にする事が出来るでしょう。そしてそれによってこそ仁川国際空港や香港国際空港、チャンギ国際空港(シンガポール)とアジアの国際ハブ空港の座を競争出来るようになると思います。

お値うち

心構え

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名古屋で仕事をしている時に知った言葉ですが、名古屋の人は「お値うち」という言い方をします。値段が単に安いというのではなく、その値段に対して値段以上の価値がある、という意味でしょう。値段が安い、という意味の「お買い得」とは違います

例えば、私が好きな粕漬け焼き魚の和食店では食前に黒豆(ないし煎りじゃこ)や食後にジュース(飲酒運転の完全禁止以前は梅酒)が出されます。値段も1,500円から2,000円ですから定食ものとしては安くないので、そのような突き出しが出ても当然かもしれませんが、このようなメインの料理以外にも期待するものがあれば、同じ値段でも得した気分になれるというものです。また料理がおいしいだけでなく、器が良いとか、盛りつけの色合いが良いというのもありがたい事で、どうせ食べるならあの店に行こう、という事になります。

味噌煮込みうどんの場合はこうです、突き出しにお漬物が出るのですが、きゅうり、大根、カブなど3種類の朝漬けを希望に合わせて取ってくれます。味噌煮込みは土鍋で煮込むためか多少時間がかかるのですが、おいしい緑茶を飲みながら漬物をつまんで、うどんの到着を待つのは、一つのセレモニーのようなもので、味噌煮込みを食べるならあの店に行こう、という事になります。

世の中激安、激安と競争が激しいですが、値段だけが決め手になるのはさびしいように思います。値段が高いのも困りますが、適正な価格で、その値段以上の付加価値を提供する工夫、「お値うち」作りを競争するようになりたいものです。

リニアモーターカー

提案!

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千葉県の新知事に森田健作氏が当選しました。失礼ながら森田氏が成田―羽田間のリニアモーターカー構想やアクアラインの通行料800円化を公約に千葉の活性化を訴えていたという事は知りませんでした。他県の選挙をとやかく言うつもりはありませんが、森田氏の公約の一つであるリニアモーターカーについては私も別の思い入れがあり2月に「高速鉄道」という題で提案しましたので、二つのリニアの違いを整理したいと思います。

まず私が北海道の千歳―札幌間のリニアモーターカー建設、運行を提案したのは、限られた費用で、短期間に、高速運行実績世界一を取り戻し、日本の鉄道技術を世界に売り込むための実績作りが目的でした。そしてこの案の利点は4

1)  距離が短く、建設が短期に終わり、早期に運行実績が挙げられる。

2)  想定路線内に自衛隊基地を含む国有地があり、買い上げ私有地を限定できる。

3)  千歳―札幌間の確実な需要が見込める。

4)  積雪対策などで磁気浮上の間隔が大きい超伝導リニアの優位性をアピールできる。(雪が積もってもそのまま走れる)

ありました。これに対し、森田氏のリニア構想の目的は成田の国際ハブ空港化だとの事ですが、上記利点について比較すると、

1)  直線距離は60Kmほどですが、千葉の過密地帯や湾岸の軟弱地盤地帯を通るので建設は簡単ではないでしょう。

2)  人口密集地を通るので地権者も多く、用地買い上げは時間がかかるでしょう。

3)  成田の乗降客の多くは羽田以外が目的地であり、出発地ですからどの程度の需要が期待できるのか不明です。ちなみに国内主要都市と成田間には連絡便が直接飛んでいます。

4)  この地域には雪はまず降らないので、磁気浮上の優位性をアピールしにくいでしょう。

このように、同じリニアでも大分考えが違うように思います。どちらにしても限られた費用で、短期間に、赤字の出ない高速鉄道が出来るのであれば結構なことです。

名古屋名物

お勧め

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名古屋に出張すると楽しみにしているものがあります。

味噌煮込みうどん

(ひつ)まぶし

あんかけスパ[ゲティ―]

これに小倉トーストを加え、名古屋以外ではあまりお目にかかれない食べ物でしょう。私は関東育ちですが、関東、関西の味付けの違いにこだわらず、それぞれの土地の名物料理を試すほうです。しかし、最初に小倉トーストを薦められた時には驚きましたし、食べてみてその取り合わせの妙に嬉しくなりました。

小倉トーストは厚切の食パンをトーストし、バターを軽く塗って、粒あんをジャムのようにトーストの上に塗ったもので、コーヒーなどのとセットで朝食メニューとして喫茶店で出されています。もちろん最近の全国チェーンの喫茶店にはメニューに出ていない、名古屋のご当地メニューだと思います。バターと小倉あんという、思ってもみない組み合わせが、小倉あんの甘味をバターが西洋菓子風の甘味にするようで、意表を突かれた感じが気に入りました

名古屋は戦国時代以前から交易の中心であり、いろいろな人が集まり、いろいろな事を試してみる気風がある、と地元出身の知り合いが言っていました。この創意工夫精神が名古屋の製造業を発展させたり、ご当地メニューを生み出したりするのでしょう。

さて今回の出張では味噌煮込みうどんを食べる事にしました。「ガムのような麺のコシが嫌だ」という人もいますが、私はそのコシも濃い味噌汁の味も好きです。もちろん店によってうどんも味噌汁の味も違いますし、煮込みなべの形も違います。私の行きつけのお店は鍋のふたに穴がありません。なぜなら鍋のふたを小皿代わりに使ってうどんと味噌汁を小分けに取り分けて、食べられるようになっていからです。夏の暑い名古屋で、夏でも熱い煮込みうどんをフーフーしながら食べる工夫ではないでしょうか。

このお店では味噌汁のハネが服につかないよう、鉄板焼きレストランのような前掛けが出され、来店時の温かいおしぼりとは別に食後に冷たいおしぼりが出されていましたが、原価高騰の中で価格据え置きのため最近このサービスは無くなってしまいました。このサービスが無くなってしまったのは残念ですが、全国展開の喫茶店やレストランが増える中で地元のお店にはご当地メニュー、ご当地の味を守って頑張ってほしいので、出張の時には極力地元のお店に立ち寄るようにしています。