都市への人口集中

素人の内需拡大策

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日本の高度成長を支えたと特性として、

1)  勤勉で識字率の高い平均的な勤労者が、

2)  都会に集中して居住している。

があったと聞きます。

日帰りの出来る南関東から北部九州までを結ぶ太平洋ベルト地帯に人口の60%が集中して居住する日本の特性は企業活動に非常に効果的であったことでしょう。しかし都市への人口集中はいろいろな弊害ももたらしました

内需拡大のための可処分所得という面から考えれば、人口集中による地価上昇があると思います。サラリーマンはわずかな面積の家(マンションを含め)を購入するために、働き盛りの30年間近く収入の多くの部分を貯金や住宅ローン返済に当てることになり、実質消費に充てられる可処分所得が少なくなっています。この住宅取得に関係した負担が1/2になっただけでも一挙に可処分所得は増え、生活を豊かにするための消費を増やす事ができます

都道府県別人口密度を見ると、人口密度の一番少ない北海道(72人)を基準にした人口密度倍率は東京81倍、大阪65倍、神奈川50倍で、全国平均(342人)を基準にしても東京17倍、大阪13倍、神奈川11倍と都市と地方の人口密度バランスは大きく崩れています。これでは都市部の地価が高いのも当然でしょう。しかしこれを逆手にとれば改善は容易かも知れません。つまり地方では道路にしても、土地の造成にしても地価が安いだけでなく、土地に余裕があるので建設上の制約も少く、安価な工法が取れるので、都市部に比べ効率の良い投資ができると思うからです。

一方携帯電話やブロードバンドネットワークの普及で、出張しなくても済ませられる業務は増えているはずです。また宅配便によって国内のほとんどの地域に1日、2日で荷物が届きます。高度成長時代には無かったこれらインフラが有るのですから、「都市に集中して居住している」事が企業活動の必須条件ではなくなっていると思います。

まず先頭に立って官公庁を中途半端な遷都ではなく、北海道か東北または九州に移転してはどうでしょうか。さらに地方の法人所得税、固定資産税の税率を安くするなど、積極的な企業誘致策も有効でしょう。それでも「地方は住みにくい」と不満を言う人は出るでしょう。しかしそれこそこの対策のポイントで、地方に人が住めば地方の不便を解消するための意味のある投資が起こり、持続的な内需拡大という好循環が始まります。結果として都市と地方のバランスが取れてゆくことでしょう。

自分が変わる方が早い

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製造業の技術者として、日本企業に勤めている時に、ご多分に漏れずQC活動がありました。製造現場の品質管理という意味のQuality Controlの前にTotalを付けて、全社の全ての部門の全ての業務を改善しようという意味でTQC活動と呼んでいました。職場の業務を、現状把握、対策立案、対策実施、効果確認という手順を踏んで改善して行こうという小集団活動です。

私はこういった活動はどちらかと言えば好きな方ですが、効果確認が単なる数字合わせになったり、実際の活動よりも各期の処理件数競争に陥る事が多くて、あまりまじめに取り組んではいませんでした。

また「事務用品を減らしましょう」といった課題は自部門内だけで解決できますが、業務の多くは担当部門だけでなく、前工程や次工程など他部門との関係があって、課題の現状把握を行うと「前工程がこうすれば良い」とか「次工程がこうしなければ良い」など他部門の責任が多く目につき、効果的な対策が思いつかない事が多くありました。

そんな時にTQC活動事務局の指導役のBさんが「人に文句を言っても、相手が文句を聞いてくれなければ問題は解決しない。それよりも自分が変われば問題は改善する」とアドバイスしてくれました。

確かに相手に問題を指摘しても、相手にその通り動いてくれるかどうか分かりません。主導権は相手にあります。場合によっては相手が反論して議論になってしまう可能性もあります。それに対して自分が変わるのは、自分の裁量ですぐに行動に移せます。問題は完全に解決しないかも知れませんが、主体的に状況を変える事は出来るという訳です。

このような事はTQC活動にかかわらず、協力会社との仕事でも、お客様のクレーム処理でも同じで、問題の解決のつもりで相手の落ち度を長々と分析していたりする事がありますが、その時間で自分の対策を考えた方がどれほど効果的で自分のためにもなるでしょう。相手に非があるような場合でも、相手に改善を要求できない場合は、気難しい上司や自分勝手な顧客など、良くあります。そんな時に問題解決を諦めのではなく、状況を変えるための自分の対策を考えるようになって、仕事での折衝もし易くなり、クレーム処理も苦にならなくなったように思います

内需の範囲

素人の内需拡大策

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内需拡大の内需とは「日本国内の需要」という意味ですが、経済活動がグローバル化してきている現代は、幕藩経済の江戸時代から国家経済の明治時代への変化と同じ変化を想定しないといけないのではないでしょうか。その類推で行けば内需の範囲を日本国内に限るのではなく、東南アジアを含めた地域ととらえてはどうでしょうか。すなわち内需拡大を東南アジアを含めた経済圏の需要を拡大する事だと考えて発想してはどうでしょうか。

内需を日本国内の重要と考えていては、成熟した日本社会にはモノがあふれており成長の余地は少ないでしょう、東南アジアの国々を考えれば、これからが成長期です。これら地域を日本の市場と考え製品輸出に努力するだけでなく、留学生の受け入れや技能労働者の育成に協力すれば、それら国々の経済発展に協力出来るだけでなく、10年単位ではそれらの人々がそれどれの社会の中枢で働き、高い購買力を持った消費者になることでしょう。そうすればなじみの深い日本商品をより買ってくれるでしょうし、日本の各地を旅行してくれるでしょう

そうした留学生や技能者を受け入れる事は、日本人の刺激にもなるでしょう。今の日本では「競争」はタブー視されているようですが、フェアーな競争は「切磋琢磨」です。競争を排除する事により切磋琢磨まで排除しては社会の活力は失われます。一度失った切磋琢磨に自分から気付くのは困難ですが、経済的に恵まれない国々からの人々の努力は、分かりやすい参考例になるでしょう

もちろん、それらの人々の中には日本に永住を希望する人も出てくるでしょう。それらの希望にも明確な基準を持って受け入れる必要は出てくるでしょう。

今回の経済危機を100年に一度というのであれば、その対策も100年に一度くらいの大きな考え方の切り替えが必要でしょう。内需拡大をお題目に終わらせないために、藩単位を国という単位に改めた明治期の変革と同じように我々の思考の視界を広げなけらばいけないでしょう

発表はレポート用紙1枚

助けられた言葉

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私の卒業した大学では、機械工学科の学生は4年生になると研究室に入って1年間、テーマを選択して卒業研究をしました。学部の学生が二人ひと組なり、大学院生が一人指導について研究を進めます。

研究の進捗状況を発表する報告会が毎週あり3週間に1度ぐらいは自分たちの番が回ってきます。

その20分程の発表用に資料を作らなければならないのですが、指導役の大学院生のIさんの指示は「資料はレポート1枚にまとめて」でした。その時は「何だ1枚ならそれほど大変でもなさそうだ」ぐらいにしか考えませんでした。しかし発表が3回目ぐらいになると研究も進み、グラフやら写真を付けなければならなくなると、資料が1枚に収まらなくなりました。

Iさんに相談すると、「だめ!1枚で良いのではなく1枚にする事が必要なの」との指示です。発表する資料は一つでも、発表聞く資料は毎回56件ある、それがそれぞれ56枚の資料では見る方は見きれない、相手に聞いてもらおうと思えば簡潔にまとめて、相手が一度に見て、考えられるようになっていなければいけない、と言うのです。

言われてみると大学院生の資料はいろいろな工夫で資料を1枚以内に収めていました。Iさん自身もある時、実験結果のグラフをレポート用紙の全面に書いて、そのグラフの線に重ならないように実験の報告を書いていました。

文章を書きだすと、いくつかの事が未整理のまま文章になってしまい、文章が長くなりがちです。もちろん味のある文章というのもありますが、相手に読んでもらうためには全体の文章量を限った方が良いようです。そうすることにより、同時に文章は簡潔に整理されます。

1年間ではありましたが、資料を1ページにまとめる訓練は社会人になっていろいろな場面で助けになりました。後年お付き合いしたいくつかの企業は「会議資料はA3一枚」が決まりでした。用紙のサイズは多少大きいですが、量を限るという効用は同じです。

内需拡大

素人の内需拡大策

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日本は輸出依存の経済構造を内需依存に改めなければいけない、と30年以上前から言われています。それにも関らず不景気になるごとに「内需拡大」と唱えられるだけで、具体的な対策が議論される事はありません

先の追加経済対策でも、政府はマクロ的に金をどう流通させるか、端的に言えば民間が使わない分の金をどのように配布するか、しか考えていないように見えます。この貧困なアイディアのために、まとまった金を一度に使えるハコ・モノ行政を転換できないのではないでしょうか

イライラは高じるものの、ハコ・モノ行政を批判しているだけではいけません。私は経済の専門家ではありませんが、多くの人が豊かに暮らし、その結果として内需主導の経済が実現される事を願っています。その思いから内需拡大の具体的な素人アイディアをいくつか提案し、どこかで、有為の人の目に留り、何らかの役に立つ事を期待したいと思います。

まず内需拡大とは、何でしょうか?

経済学的に正しいかどうかは別にして、私は内需拡大とは、国民の可処分所得が増えて社会にお金が回ること、だと思います。もちろん企業の利益が上がり設備投資という形でお金を使っても社会にお金は回るわけですが、設備投資をすると投資の回収をしなければならないので「それ輸出を増やさなければ」という話になってしまいます。そこで企業が利益を上げた時は速やかに労働者に利益を分配し、労働者の可処分所得を高め、株主への配当や、設備投資は持続可能な成長の範囲にとどめる事と仮定します。

可処分所得を増やすためには、所得が増えるか、生活に必須な費用が減るかのどちらかです。超低価格商品の流行や政府の何とかポイント等の補助金は消費を刺激しても、持続的な可処分所得を増やすわけではないので、内需拡大の効果は薄いと思います。

そこで私の内需拡大策は労働者の所得を(輸出に頼らず)増やすか、生活に必要な費用を減らすアイディア、という事になります。次回以降をご期待ください。

農地の端に積まれた岩

社会問題

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東京都から故郷の北海道に帰郷して、大自然の中で暮らす一家の姿を描いた「北の国から」で、黒板五郎さんの丸太小屋のあった富良野市麓郷(ロクゴウ)。大正時代に開拓がはじまった十勝岳と大麓山に連なる農村地帯です

麓郷をドライブしていると、農地の端にうず高く積まれた石、というより岩に近い、が目に飛び込んできました。(「北の国から」では五郎さんがこんな石を使って建てた石の家もありました)広い畑の一角に積まれた岩は異様な光景です。近くに大きな川があるわけでもありません。

想像ですが、このあたりは大雪山系の高原で、主峰の旭岳は火山であり、一帯には火山活動で堆積した岩が多かったのではないでしょうか。森林を切り開くだけでなく、あちこちに埋まった岩を取り除かなければ、農地にはならなかったでしょう。今のように重機の無い時代、せいぜい馬の力を借りる程度では、開拓の苦労は想像を超えるものがあったことでしょう

手塚治虫の漫画に「シュマリ」という作品があります。明治の北海道開拓時代を背景に、藩士を殺して、道内を放浪する男の一代記です。この中で洪水、イナゴや野ネズミの大群の襲来、山火事、疫病と北海道開拓の苦難が語られます。畑の端に積まれた岩を見ていると、そのような開拓の苦難を現実のものとして感じます。

一方、畑の中には耕作放棄地もあり、今は住む人の無い家も見かけます。大変な苦労の末に開拓した土地を放棄するとは、なんと無念な事でしょう。そこにはいろいろな原因があったのでしょうが、個々の開拓民の努力を無にしない、国の長期計画と実効ある支援はあったのでしょうか。そんな疑問も浮かんできます。

国際交渉

ちょっとした対策

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麻生首相が温室効果ガス削減の中期(2020年までの削減)目標を発表しました。首相は「低炭素革命で世界をリードする」、「極めて野心的なもの」としていますが、発表された05年比-15%という目標値は経済・業界団体が主張する-4%と環境団体が主張する-21%-30%を足して2で割ったように見えます。

それはさておき、今回の発表は首相自身が「日本の考え方を示した第一歩」と言うように、今後の国際交渉でさらに厳しい削減義務を負わされるのではないかと心配されています。ですから目標数字自体より、今回の発表が今後の交渉の布石として正しかったのか、の方が重要に思います。

この観点から発表内容を振り返ると、首相は次の二点を強調していました

1)   排出枠購入などによる削減分を含んでいない「真水」の目標。

2)   2005年比の-15%は欧州諸国連合の目標を上回る。

しかし、この2点は他国と違った基準を持ち出して「日本の目標の方が立派だろう」と言っている様なもので、インパクトはありません。現実的には発展途上国の排出枠を日本など発展国が購入しなければ、発展途上国は環境対策費用を捻出できませんし、欧州諸国連合が使っている1990年比で見れば、今回の日本の目標は-8%でしかありません。(日本は90年代温室効果ガスの排出が増加した)

他国(他人)と交渉する時に、基準が違っていれば、交渉は基準合わせから始めなければなりません。交渉でリーダーシップを取りたいと考えているのであれば、最初に同じ基準で、インパクトのある論理で相手を圧倒しなければなりません。“足して2で割る”方式では交渉はリードできないでしょう。そう考えると今回の会見で次の点を配慮してほしかったと思います。

A)   排出権枠購入を含めた目標にする、合わせて排出権購入の枠組みを提案する。(例えば発展途上国に対する技術支援を排出権と交換する)

B)   主要な排出国の米国、中国を協議に参加させるのが重要なのだから、日本の目標設定を主要排出国の目標と関係付ける。(米国、中国がこういう目標にすれば、日本はここまでやる用意がある、というような)

「未来を救った世代になろう」という首相の考えには同感なので、今後の交渉の成功を祈りたいと思います。なお会見18分、質疑応答を含め全体33分の内容は首相官邸ホームページの「麻生首相の演説・記者会見等のページ(下記URL)」で確認できます。

http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/index.html

夕張シューパロダム

提案!

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メロンで有名な夕張から夕張国道を富良野に向けて少しドライブすると、夕張シューパロダムの建設現場に出会います

シューパロとは「みなもと(シ)」と「鉱泉が湧き出る所(ユーパロ)」というアイヌ語の合成名だそうですが、シューパロダムは2013年完成を目指して夕張川(石狩川水系)に在る大夕張ダム(1962年完成)の150m程下流に建設中です

なぜ既にあるダムのすぐ手前に1,700億円かけて建設しなければならないかと言うと、ダムの建設案内所の説明では「1981年に台風が北海道を襲い、石狩川流域は観測史上最大の被害を受けたので、治水などの為に建設が決定した」そうです。しかしネットで北海道開発局の「夕張シューパロダム建設事業」という資料を読んでみると、多少経緯は違うようです。実際は次のような経過で計画が決定したようです。

1)  炭鉱閉山対策として夕張メロンをはじめ、牧畜を含めた農業を振興するため農業用水の不足が心配され1980年既存の大夕張ダムを13mほどかさ上げする開発計画が立案された。

2)  1981年台風被害(被害額1060億円、死者2名)が起こり、治水計画を再検討、「夕張川総合開発計画」を策定した。

3)  治水という観点から、下流河川の川底の浚渫等代替え案(約1,800億円)も検討したが、新ダム建設案(当初想定約1,200億円)に決定した

4)  また洪水調節だけでなく関連事業としてかんがい用水、水道用水、発電も建設目的(便益)に追加された。

確かに、資料によれば代替え案より安く、建設費に比べ総便益の推定額(2,267億円)の方が2倍近く多い事になっていて、素人には反論の余地はないように見えます。しかし、完成後まだ50年余りしか経っていないダムがあるのですから、最新の技術でそのダムを改築して同様の効果を得る事は出来ないものかと、素朴な疑問が湧いてきます。

社会資本が貧しかった高度成長期には道路にしても、ダムにしても新設は当然だったでしょう。しかしこれからは行政においても民間と同じように、既存の設備があるならば、まずそれを改良・改善して目標を達成するという取り組み方が必要ではないでしょうか。

省エネ快眠グッズ

体験レポート

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「最近の冷蔵庫は10年ほど前の物に比べて消費電力は10分の1以下です」という説明を聞いて、正直信じられませんでしたが、最近冷蔵庫を買い換えた人の実感としても、月々の電気代が目に見えて下がったそうなので、あながち嘘ではないのかも知れません。

同じようにクーラーも大きな省エネ効果が見込まれるようですが、昼間寒いくらいのオフィスで働いていると、家では自然の風で涼を感じたいと思います。そんな気持ちから夏の寝具に関心を持っていますが、先日アイスジェルパッドという快眠用品を見つけました

“熱さまシート”の大きいものがパッドにいくつも付いていて、それが体の熱を吸収する、という簡単な構造ですが、説明員によれば従来品にいろいろな改良が加えられたそうです。

1)  従来品は、ジェルを生地に包んだシートだったが、小分けしてビニールパッケージに包み込んだので、洗えるようになり、ジェルの蒸発も防げた。

2)  パッド全体にジェルシートが入っているのではなく、各ビニールパッケージ間に隙間があるので通気性があり、蒸れ感を感じることが少ない。

3)  従来品に比べジェルの粘度を高め、重さがかかった場合にジェルが逃げにくく、均等に冷やすことが出来る。

4)  好みの冷たさに合わせパッドの表面、裏面(ジェルパッケージに近く冷却効果が高い)を使い分けられる。

とは言いながら、高分子吸収体に水を含ませ防腐剤を加えただけの、要は水枕です。値段は安くないのでどの程度の効果があるのか不安です。まずは枕カバーサイズのパッドを試す事にしました

まだ夜暑くないので、室温のままで使っていますが、(室温は体温より低いので)ひんやり感が丁度良く、頭寒足熱になって、頭の芯まで徐々に冷える感じで心地よく眠れます。まさに電気不要の究極の省エネグッズでしょう。パッド自体を冷蔵庫で冷やす事も出来るので熱帯夜などでも大丈夫でしょう。この結果ならシーツサイズのパッドと合わせて今年の夏はクーラーなしで安眠できるかもしれません

地域振興券

社会問題

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地域振興券(我が街ではプレミアム商品券という名前でした)を買いました。当初は財政の逼迫を理由に、市の補助の付いた振興券は発行出来ないという話でしたが、相次いで周辺の市町村が発行したためか、商工会議所などが中心になって何とか商品券の発行にこぎつけたようです。

市が資金援助も行っていないのか、他の地域では2,000円から3,000円のプレミアムが多い中で、我が商品券は1セット9,000円で10,000円分の買い物が出来る、という物でした。1セットは1,000円単位になっており、4枚は中小商店専用、残り6枚が中小商店・大型店共通に使えるという仕組みで、一人5セットまでの購入が可能でした。

61日から30日までの販売で、利用は831日までです。12日私の後に販売窓口の信用金庫に入ってきた人が最後の2セットを買って、その支店では完売となりました。発売から(休業日を除いて)10日で売り切れてしまった訳です。

景気刺激策として定額給付金が決定し、それと歩調を合わせ地域振興券が話題になった訳ですが、2兆円とも言われた定額給付金の景気刺激効果は出ているのでしょうか。素人考えですがこの2兆円を政府支給のプレミアムとして、総額10兆円の商品券を発行した方が消費の刺激になったのではないでしょうか。預金してしまうだろうと心配された定額給付金に対して、商品券であれば使用期限を設定できるので、確実に消費に回るという利点もあります。

利益ではなく人々の幸福を事業目的とする資本主義:ソーシャル・ビジネスを提唱したバングラデシュのグラミン銀行ムハマド・ユヌス総裁が献金とソーシャル・ビジネスの違いを「献金はお金がなくなれば終わりですが、ソーシャル・ビジネスは利益を全て目的(人々の幸福)のために再投資するので、永続的に運営する事が出来ます」と説明していました。

ソーシャル・ビジネスと同じで、景気刺激も継続的でなければなりません。エコカー、エコ家電も結構ですが、地域の中小商店などにもお金の回る策として振興券を活用すると良いのではないでしょうか。とは言ってもプレミアムに当てる予算はもうバラ撒いてしまったかも知れませんが。

着眼大局、着手小局

助けられた言葉

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着眼大局、着手小局

社会人になって、まだ7-8年の頃、事業部管理室長のH部長がよく言っていた言葉です。出所は分かりませんが、多分中国の古典に由来するものでしょう。「木を見て、森を見ず」と同じような意味で、前半の着眼大局の方に重点が置かれる事が多いようですが、H部長は着手小局を強調していたように思います。

つまり「大きな視点で物事を考え、最適な所から始める」ということです。私は「全体像を計画した上で、可能な範囲から実施し、全体像を見直しながら順々に実施範囲を広げてゆく」と解釈して、新しい事を始める時の指針にしました

私は「木を見て森を見ず」は失敗を後から批評する時の言葉で、これから何かを始めようとする時のアドバイスにはならないと思います。なぜなら木は木なりに重要で、一本一本の木を知らなければ本当の森は分からないと思うからです。森だけ見られても困るのです。

欧米人と仕事をしていると、アクション(行動計画)とプライオリティ(優先度)が日常的です。会議では、現状説明のあと、一通り意見交換をして目標を共有し、目標達成のための有効なアクションをアクションアイテムとしてリストアップして、それぞれのアクションの優先度を検討し、担当を決めて、次の打ち合わせまでのそれぞれの到達目標を確認する、という具合です。

大局を声高に言う人がいますが、的確な小局から着手しなければ、事は成就しません。大局を語りながら、あまり関係のなさそうな小局を持ち出して、案を正当化する人がいます。大局はおおむね間違いがないので反論が難しいため、こういう人は困りものです

さて鳴り物入りで始まった「高速道路、どこまで行っても1000円」は景気回復の大局に対して、着手小局だったのでしょうか。

アイヌの神

お勧め

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北海道東南の十勝平野を見下ろす狩勝峠の中腹に、野生に近い状態のヒグマを観察できるベア・マウンテンがあります

ヒグマは日本に棲息する陸上動物では最大の大きさで、(本州に住むのはツキノワグマ)アイヌの人たちには肉や毛皮を授けてくれる神として畏敬されているそうです。しかし今では動物園の狭い檻の中をノシノシと行ったり来たり、忙しなく歩くクマしか見る事がありません。これは常動行動と言って、同じ動作を続ける一種の神経症だそうです。この常動行動をしているクマと「アイヌの神」のイメージは結び付きません

北海道には登別に50年以上の歴史のある「クマ牧場」という、高い塀で囲まれた敷地内にたくさんのクマを飼育して、観察室からクマを見たり、窓越しに餌を与える事が出来る施設があり、クマのいろいろな仕草を見る事が出来ます。常動行動は少ないようですが、人間に飼いならされたクマも「アイヌの神」とは違うように思います。

ベア・マウンテンは「クマ牧場」の経験を生かして、ヒグマたちを東京ドームの3倍強の広さに敷地に放し、人間はバスの乗るか、敷地中央まで延びた遊歩道を歩きながら、敷地内を歩き回るクマを探して観察できるようになっています。また遊歩道の途中にはガラス越しにクマを見る事の出来る観察ポイントもあります。(左の写真は観察ポイントから撮ったものです)

飼育方針は「出来るだけ野生に」だそうで、敷地内の草木類、キノコ、果実を食べるように、(ヒグマは元来植物中心の雑食性、春はフキやクローバーなどを食べる)出来るだけ餌をやらないようにしているそうです。見物客が餌をやることもできません。

もちろん、「クマ牧場」から連れてきたクマたちは何を食べたら良いのか学習していないので、まだ穀物を丸薬状にした餌を与えてはいますが、わざと熊笹の中とか、石畳の隙間など食べにくい場所に巻いて、自然の草木類を食べるのと同じ努力をさせるようにしているそうです。

この食べる努力に忙しいのか「常動行動」を見せるクマはいません。クマたちは広い敷地内を自分の好みで動き回り、食べ物を探したり、木に背中をこすりつけてマーキングをしたり、水浴びしたり、熊笹の中に隠れて涼んだりしています。

完全な自然ではありませんが、食べる努力をしているクマたちは、のびやかで、ヒモジイ思いもするかもしれませんが、生き生きしていて「アイヌの神」のようでした

ハイブリッド車

体験レポート

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北海道34日の旅でハイブリッド車を使ってみました

新千歳空港でトヨタのプリウス(旧型)を借りて道央を中心に走りました。ほぼ全行程、知り合いと共に3人が乗っていました。都市内はあまり走りませんでしたし、大雪山を中心に新得、富良野、旭川、層雲峡、糠平を回って新得に戻るなど、高地の上り下りを繰り返しましたからハイブリッド車にとっては厳しい条件だったと思います。結論からいえば1108.6Km走り、44.04リットルのレギラーガソリンを使いました。燃費は25.17Km/lで、思ったよりも好成績でした

ギヤチェンジがドライブ、バックの指示を与えるだけで、シフトレバーが無いため、多少戸惑いはありましたが、操作にはすぐに慣れ、室内は狭くなく、走行音も静かでドライブを楽しむ事が出来ました。

今年春の新型は「時速70キロ以下はモータで走る」そうですが、旧型は時速30キロを超えるとエンジンが稼働しました。ただしバッテリー容量が少ないのか、エアコンをつけていると意外に早くバッテリーレベルが下がり、始動にもエンジンを使う事がありました。ハイブリッドの名前の通り、エンジンとモータをどのように使っているかは、モニター画面で確認する事が出来ます。左写真は時速30キロ以上で加速したような場合で、エンジンとモータの力を合成して走っている状態を表しています。アクセルを離せばモータのみの走行になりますし、ブレーキを踏めば瞬時にモータによる発電に切り替わります。従って走行時のエンジン音(プリウスの場合、モータ音を含め)は従来のガソリンエンジン車とはずいぶん感じが違い、ドライブ感も違いました

初代のプリウスに乗ってから10年余りが経ちます。初代は物珍しさはありましたが、高速走行時の力不足から、ガソリンエンジン車に代わるとは思いませんでした。二代目プリウスはガソリンエンジン車と互角だと思います。従って宣伝文句通りであれば、新型プリウス(3代目)の“走り”はガソリンエンジン車以上になっていることでしょう

なお、ホンダのハイブリッド車:インサイトもレンタカーで走っていたので今度機会を作って乗ってみたいと思います。

鉛筆ホルダー

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鉛筆を使わなくなったのはいつごろからでしょうか

芯を削らなくても直ぐ書け、芯の無駄も少ないシャープペンシルが当たり前になってしまい、鉛筆を使おうという気になりません。

しかし鉛筆とシャープペンシルでは、今になって思うのですが、違いがあります。鉛筆を使うためには芯を削らなければなりません。ナイフで芯を削る場合の事ですが、この時意外に集中しています。鉛筆の軸の先を見つめてナイフを注意して動かすからでしょうか、他の事を考える事はできません。これがシャープペンシルで字を書く時との違いです。

鉛筆をシャープペンシルに切り替えた、1960年代中ごろに比べ今の生活が忙しないのか、字を書く始める前の芯削りという手間が意識を集中し、雑念を払うのに貴重です。いまさら全て鉛筆を使うわけにはいきませんが、個人的な日記や、考えをまとめるためのメモなどに鉛筆を使うのは良いようです。

しかしエコ時代にあってチビた鉛筆を握れないからと言って捨ててしまうのは時代錯誤でしょう。そこで文房具屋で昔ながらの鉛筆ホルダー(写真上)を手に入れました。メタルのホルダーの先を回して鉛筆を固定する物です。鉛筆を逆さまにして固定すれば芯が折れる心配もないし、機能を形にしただけの所が気に入っています

また違ったタイプのプッシュ式ホルダー(写真下)があるのも知りました。これは軸の頭を押すと軸の先が開いて鉛筆をくわえ、頭を放して鉛筆を固定します。また軸の頭のキャップを外すと消しゴムが入っているのが実用的です

仕事ではパソコンのキーボードが離せなくなっていますが、一方で手を、指を動かす感触を忘れないようにしたいものです。

究極のヒゲそり

お勧め

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若い時から髪を短くしている私は髪形を整える必要もないので、出勤準備には時間がかからない方ですが、毎朝のヒゲそりには苦労しました。

ひげをそるようになってT字型のヒゲそり(当時はまだ1枚刃)をまず使いましたが、そり残しがあるのと、よく皮膚を引掛けて切ってしまい、Yシャツに血の斑点を付けて一日不快な思いをしました。その後2枚刃のヒゲそりも試しましたが、せわしない時に限って皮膚を切ってしまう事はなくなりませんでした。

そこで35歳頃に一大決心をして、数万円する電気シェーバーを買いました。メーカーの宣伝文句では「そり残しなし」というやつです。確かにそり残しはないし、皮膚を切って血を出すこともありません。ただし、そり残しが無いのは時間を掛けて剃るからで、ヒゲそり時間は手動のヒゲそりよりも長くなってしまいました。また念入りにそると、今度は皮膚を削って肌が荒れてしまう感じもありました

そんな時に、義理の父が理髪店のヒゲそりで使う一枚刃の剃刀でヒゲを剃っているのを見て、「男は刃を扱えないといけない」思い直して、ヒゲそりに戻りました。一枚刃のヒゲそりも使いましたが、何しろ危ないので1年ほど使って、当時出だした4枚刃式のヒゲそりに変えました。

4枚刃式の手動ヒゲそりになって、ほとんどそり残しはなく、皮膚を切る事もなくなりましたが、新たな手間は刃と刃の間に詰まったヒゲの剃りカスを明日のヒゲそりの為にきれいに取り除く手間でした。しかしこれは刃の数が増えれば、当然出てくる問題で究極の課題のようでした。

新たな革新の見られないまま時が経ちましたが、2年ほど前に快速5枚刃と称する手動ヒゲそりを発見、購入しました。

写真のように手動なのにもかかわらず単4の乾電池を軸の中にいれ、スイッチを入れると超小型モーターによって5枚の刃が振動します。この振動がミソなのか5枚刃が良いのか、そり残しはまずありません。その上、水の中に剃刀部を浸けて、スイッチを入れれば刃が振動して、刃と刃の間のヒゲそりカスは100%洗い落とせます。ついに究極の課題もクリアされました。その上、刃の交換時期の表示機能(単に使用毎に青い表面塗料がハゲ落ちて、白い下地が出てくる)付きスムーサーなど嬉しくなるような細かい工夫がいろいろ付いていて、久々に技術進歩の有難さを感じました。これで1,600円程とはお値打ちだと思います。

アニメーション振興

社会問題

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15兆円補正予算の内容批判の一つとして国立メディア芸術総合センターが話題です。鳩山代表の「国営マンガ喫茶」という例えも多少強引に思いますが、政府も何が目標で、何を行うのか、真正面から反論しません。これでは結局官僚が膨らました予算を吟味もせずに、そのまま予算化したのではないか、と疑ってしまいます。

企画元の文化庁のHPによれば、メディア芸術とは,映画,マンガ,アニメーション,CGアート,ゲームや電子機器等を利用した新しい分野の芸術の総称だそうで、「アニメの殿堂」と通称言われているからと言ってアニメだけが振興の対象ではないようです。

そして「世界的に親しまれている我が国のメディア芸術を,今後もその強みを維持していくためには,この分野の人材育成や調査研究を推進していく拠点が必要となっています」が目的だそうです。なるほど、で117億円はどのくらい人材育成、調査研究に使われるのかと言えば、予算の多くは東京(のお台場らしい)に建設する建物の用地代だそうです。なぜこういうものを地価の高い事が分かっている東京に作ろうとするのかという根本的な疑問を感じますが、それはさておいて、人材育成を目的に挙げるなら建物よりも先にやる事があります

代表的なアニメーションについて言えば、作品の質の高さと共に有名なのは制作現場の低賃金です。これは1963年に始まる鉄腕アトムなどテレビアニメーション創世記からの宿命と言われています。日本アニメーター・演出家協会が昨年実施したアンケート調査によれば、「平均年収(アニメ以外の収入含む)は、動画を主な仕事とする人が約105万円、原画は約232万円、演出は約333万円、監督は495万円だった。(中略)概算の時給は動画298円、原画689円、監督1412円。」との事です。

アニメーターはまずキーとなる動きを決める原画と原画の間を滑らかに繋ぐ動画作りから経験を積みます。これは一種の修行ですから会社も高い給料を払う訳にはいかないのでしょう。しかし人材育成を掲げるのであれば、最低賃金に遠く及ばない時給で働く環境を放置するのではなく、修行と生活が両立するような徒弟制度を国が制度化するような工夫が、建物づくりの前に必要ではないでしょうか。