Profile : 高度成長期に学生時代を過ごし、オイルショックで就職に苦労するも、右肩上がりの80年代をモーレツ社員の一員として働き、気がつけばバブル崩壊、希望退職で外資企業に転身して14年。
「世界の中の、明日の日本と日本人」をテーマにしている56歳。
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政治と理念
社会問題
ビジネス » 職業
民主党の鳩山代表の印象は「優柔不断で頼りない」でした。その印象が先の党首討論で大きく変わりました。
鳩山氏は冷笑のヤジに動ずることもなく「友愛社会の実現」を語りました。長いこと聞くことのなかった政治が何を目指すのかという理念を毅然と語っているのか新鮮でした。彼は信念の人なのかもしれません。
残念ながら、テレビも新聞も党首討論の全体を報道しなかったので、私が感心した理念に関する次の二点は報道されていないようです。ここに採録したいと思います。
一つは、どういう世の中を目指すのか、です。麻生首相が抽象論と切り捨てたところは報道されていますが、その前に鳩山氏は次のように語っていました。
「税金を食ってばかりいる人たちに発想を求めるような世の中ではなく、税金を支払っている側に立って、その発想のもとで一つ一つの政策を作り上げていく(中略)地域主権の世の中にしたい」
鳩山氏は官僚主導の中央集権政治から、納税者を向いた地方分権政治への移行を明確に宣言しました。
次は、理念実現のための政治手法です。
「政府による解決はお金がかかりすぎる、ある意味での悪平等という弊害に陥る。それに対して市場原理にゆだねると今度は弱肉強食という世界に入ってしまう。悪平等と弱肉強食、どちらも国民の幸せにならなかった。だから今我々は第三の道を模索しなければいけない大事な時にいる。(以下要約)ボランティアやNPOなどに政治が光を当てれば、全体としてコストもかからず、満足も得られる仕組みができる。政治はもっとまじめにこの事に取り組まなければなりません。その為に政権交代が必要だと考えているのです。」
かつての列島改造論が物質的に豊かな未来を目指した理念だとすれば、「友愛」は日本が経済成長の過程で失ったものを再生し、精神的に豊かな未来を目指す理念なのではないでしょうか。
高度成長時代からの中央集権政治が行き詰まり、民営化に走っても目指す所のはっきりしない改革は迷走します。今こそ政治家の理念を確認しなければいけない時だと思います。
事実と報道された事実
お勧め
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麻生首相と民主党鳩山代表の党首討論が開かれました。今回は開催時間が事前に分かったのでビデオをセットして、夜討論を最初から終わりまでじっくり見る事が出来ました。その後、各局のニュースを見たのですが、時間の関係で断片的に切り出された両者の発言からの印象は、全体の討論を通しで見た印象とはだいぶ違っていて驚きました。
報道する側は限られた時間の中で要点をまとめようとするため、発言の中で分かりにくい所、意味不明な所を削除して、分かりやすい所だけを集めて報道してしまうようです。従って、発言者のボロが自動的に隠れてしまったり、分かりにくくても重要な点が報道されなかったりしてしまいます。
一夜明けて、(朝日)新聞を見てみると、発言の全文は無く、テレビ程ではないにしても一部を切り出して解説しているだけでした。米国の大統領選挙と比べて、日本の選挙制度ではどういう人が、どういう考えのもとに首相になるのか事前に分からないのが問題だ、と以前書きました。事実と報道された事実は、「盲人ゾウをなぜる」のように、たとえ中立報道であっても微妙に違います。有権者として報道解説やコメンテーターの意見をヤドカリするのではなく、事実を自分で見て、候補の素性をしっかり確認したいと思います。
という事で、ぜひ党首討論は初めから終わりまで見ましょう。その価値はあります。政府のサイトでビデオ放送していますから、今からでも遅くありません。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL
上記URLにアクセスすると「衆議院TV」というページが表示されるので、2009年5月27日に行われた会議を検索すると、外務委員会など8つの会議がリストされるので、国家基本政策委員会合同審査会をクリックすると党首討論のカットの無い全貌を見る事ができます。
事実を見れば、いろいろな人の解説を聞くまでもなく麻生首相と鳩山代表の素性の違いは分かるはずです。
経験則
助けられた言葉
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使っていた外付けディスクが突然PCで認識できなくなってしまいました。
データのバックアップに外付けのハードディスクをUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)で繋いで使っていました。USBが登場する前は、用途ごとに別々の規格が使われていました。今ではどんなPCにもUSB端子が3つ、4つ付いていて、PCにプリンターやデジカメ、さらに外付けディスクまで接続して使えるのです。
比べようもなく便利になったのですが、一たびトラブルが起きるとコンピュータは厄介です。昨日まで動いていたものが、突然ウンともスンとも言わなくなる。音や振動がする訳でもないのでトラブルを特定し、その上で原因を追究するのは、一種の推理ゲームです。
メーカーに電話しても、役に立つアドバイスを聞けるわけもなく、こういう時の経験則は「正常に動作していた数日前の状態と違う点を一つずつ確認して行く」しかありません。PCに複数付いているUSB端子の場所を変えて接続したり、類似の外付けディスクを繋げ変えてみたり、悪戦苦闘2日間、原因どころか現象さえも特定できませんでした。
行き詰まると「問題をシンプルにして考える」しかありません。同時にUSBに接続していたプリンターを外したところ、ディスクはPCから正常に認識されました。USBの便利さが災いして、同時に接続した機器同士が干渉したのが原因のようでした。しかしプリンターが突然壊れるとは思えません。
次は「問題は大きい所にあるとは限らない」です。プリンターを繋いでいるケーブルを変えてみましたが、問題は再発しました。しかしそこで、複数台のPCでプリンターを使うためにUSBチャネルスイッチという小さな装置を介してプリンターを繋げていた事に気が付きました。またこの週末コンピュータの配置換えでこの装置を床に何度か落として、衝撃を与えていました。
結局、プリンターのケーブルを直接PCのUSB端子に繋ぐ事で、外付けディスクと共存させて使えるようになりました。私は仕事の中でコンピュータと付き合う上での経験則を先輩から伝授されました。これは得難い経験だったと思っています。
必要な道路
提案!
ビジネス » 職業
高速道路などの新設道路は今でも公共投資の目玉として利用されています。「道路が無いから地方に企業を誘致できない」と最近もある国会議員が言っていたのを聞きました。
もちろん、これは私の想像ですが、日本国中道路が無いから辿り着けないなどという土地は、もう無いように思います。もしそういう所があるとすれば、逆に国立公園として車の通行を禁止して、保護すべき場所でしょう。
企業誘致と道路の必要、不必要は直接関係ないと思います。地方の活性化のための企業誘致には、法人税などの税法特典だとか、通信ネットワーク基盤の優先整備など多角的な優遇策を用意しなければ日本の都市集中型の企業立地を変える事は出来ないでしょう。
と言って、私は地方に道路は必要ないと言うつもりはありません。地方には地方の実情に合った道路整備が必要だと思います。信号の多い一般道の代わりに高速道路を建設するのは、効果的でしょう。しかし、もともと交通量が少なく、交差する道路の少ない地方で3大都市圏とおなじ規格の高速道路が必要でしょうか。本当に地方が必要なのは、雪や豪雨の時にも安全に通行できる一般道路ではないでしょうか。
例えば、北海道。主要都市を結ぶ高速道路は必要でしょう。しかし広い北海道の端から端まで高速道路で結ぶのは現実的ではないでしょう。建設に時間もかかります。それよりも北海道特有の道路事情を踏まえ、安全に通行できるような一般道の改良の方が役に立つのではないでしょうか。狩勝峠や日勝峠など1000m級の峠がありますが、冬季の路面凍結はゆうに及ばず、通常でも車の走行速度が速いので一般道であっても中央分離帯があれば少しは安全だと思います。片側1車線でも4、5Km間隔で追い越し車線を設ければ一般道も十分効率よく走れるでしょう。
私が始めて北海道を走った20年前と比べて道路は良く整備されました。未舗装の道路を見る事はなくなりました。せっかく整備してきた道路を改良して、より使いやすくする方が地方の活性化になると思います。
デジタル機器の宿命
社会問題
ビジネス » 職業
20年以上手元に置いていたレーザディスク(LD)を処分しました。LDはパイオニアが1981年に商品化した、映像記録用の光ディスク規格で、音楽CDと同じ非接触のピックアップと虹色に輝く直径30センチのディスクはビデオテープに代わる未来的な記録装置・媒体という印象でした。ただデータ圧縮技術が未発達だったので片面約1時間の記録が最大で、1本の映画を見るのにディスクを裏返したり、続きのディスクに入れ替えたりする必要があり、今のDVDに比べるとまだ発展途上の点がありました。
先進的なイメージのLDでしたが、当初ビクターのVHSビデオの技術を利用した接触式ピックアップのVHDとの間で記録ディスク規格の主導権争いがありました。製品販売の多いVHD方式(13社)は優勢でしたが、80年代後半には解像度に優れたLDが勝利を収め、映画やカラオケなどに広く使われたわけです。
このように一時代の覇者となったLDですが、1996年にCDと同じ直径12cmに約2時間の映像記録が可能なDVD-Video規格が登場すると、製造コストの安いDVDが一気に普及し、2000年には映像ソフト発売もDVD版が主流になり、今年3月パイオニア自身が細々と続けていたLD装置の製造販売が終了しました。
デジタル機器の先駆けであったLDはコンピュータと同じで、新しいものは「機能が同等以上で性能は良い」ため、DVDが普及した以上LDを使い続ける意味がありません。
製品誕生から30年経っていないのですが、LDは完全に世の中から消える事になりました。この寿命の短さ、常に新しいものを追い求めなければいけない慌ただしさがデジタル機器の空しさなのかもしれません。
選択と集中の高速道路整備
提案!
ビジネス » 職業
「新たな高速道路計画は凍結」になっていたと思っていましたが、未曾有の経済危機のおかげで、先日(新聞報道によれば)たった2時間の会議で東京外郭環状道路(外環道)など4区間の新設、既存6区間の拡幅が決定したそうです。今後国土交通相の判断で着工できとの事です。
日本高速道路公団の長い改革議論は何だったのか?という疑問は脇に置いたとしても、1キロの建設に801億円、16キロで1兆2820億円も必要な外環道の建設を許可してしまう政治家の金銭感覚は理解不能です。この区間は地価が高いためか、ほとんど全区間地下トンネルとなるので建設費が高いのかも知れませんが、同時に建設許可となった山形県、茨城県の高速道路が1キロ当たり23~26億円、名古屋の環状2号でも113億円である事を見れば、いかに異常な建設コストである事が分かります。この事を気にもかけずに建設許可が出せるのは高速道路を作る事よりも、お金を使う事に目的があるのかも知れません。
東京の道路は今でも渋滞が多く、東京オリンピック後の昭和41年(ビートルズが来日した1966年、今から40年以上前)に計画された左図の9つの放射道路と3つの環状道路による高速道路網の完成が望まれます。しかし今回の外環道16キロ分の建設費を考えれば、この理想の高速道路網の実現は無尽蔵の税金収入が無い限り不可能だと考えなければならないでしょう。
借金慣れしたお役人・政治家と違い、予算が限られている場合我々企業人は、予算の中で最大の効果を得る次善の策を考えます。私は東京の高速道路は建設スピードが遅く、部分開通ばかりで、結局都心環状を通らないと東西南北の移動が出来ない、ということが問題だと思っています。そこで私は、
1) 放射道路については完全全通断念(第3京浜、東北道が都心環状に直結していないのはあきらめる)。
2) 3環状道路のうち中央環状、外環の新区間建設断念(建設中の中央環状新宿―渋谷に専念する)。
3) 東京のバイパス用には比較的地価が安く、高架建設が可能な圏央道の全通に専念する。
を提案します。
全通していない3環状より、全通した環状道路が一つある方が経済効果は大きいはずです。どちらにしても多額の投資ですから、1日でも早く全通させて経済効果を生んでほしいと思います。
演出の無い自然
お勧め
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親類の案内で北海道のほぼ真ん中、芦別市新城町にある黄金水松(コガネミズマツ)を見てきました。
この木は北海道指定文化財で推定樹齢1,700年のイチイ(オンコ)の木で、直径2mはある大木です。高さは、雷で木の途中から折れてしまったのか、20mほどであまり高くありません。
イチイの木としては全国8位の大きさだそうですが、特別な来歴があるはけではないので、訪れる人も僅かなようです。しかし古墳時代のころから1,700年この場所で生き続けている木は、ある時雷に打たれ幹が真っ二つになってしまったのか、冬の雪で何度も枝を折ってしまったのか、その姿全体で自分の歴史を語っているようでした。
この木の近く一帯にはエゾエンゴサクが群棲していました。昨年放送された『風のガーデン』の花言葉では、「妖精たちの秘密の舞踏会」です。まさに秘密の舞踏会には打って付けの場所かもしれません。
そして林を抜けたところには、濃い緑のエゾ松と一体化したようなコブシの木がありました。演出の無い自然は見ていて飽きません。
「何なにの世界一」とか、比較で物を見てしまいがちですが、自然は番付表のようなところから選ぶのでは無く、巡り合ったものを楽しむだけで良いように思います。
民主党、どこへ行く?
社会問題
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5月11日の小沢代表の辞任を受けて、民主党国会議員による選挙が土曜日16日に行われ鳩山由紀夫氏が新代表に選出されました。この間わずか5日、非常にスピーディーに事が進みました。民主党によれば以前の代表選挙も同じような日程だったので、今回特別に急いだわけでないとの事です。
私は時々民主党を民社党と言い間違えるくらいの有権者でしたが、近年の財政破たんの状況を知るにつけ、官僚機構を制御できない自民党の無政策、無責任さに不安を覚え、この処民主党の考え、行く道に関心を持っていました。次回衆議院議員選挙で与野党議員の逆転が起これば、何かは変わると思うからです。その為には野党第1党として民主党に技量に期待しなければなりません。
正直に言えば、私は民主党の代表が鳩山さんでも、岡田さんでも、果ては(以前書いたように、秘書氏の裁判が始まって民主党代表との掛け持ちが可能ならば)小沢さんでも構わないのです。行政改革を断行し、財政立て直しをするためには政権交代をして、シガラミを断ち切る必要があると考えているのです。
この思いから今回の代表選挙を振り返ると、民主党は与党候補として狡猾さが足りないのではないでしょうか。世論予想は次回選挙での与野党逆転に好意的ですが、無党派層が投票に行かなければ、結果はどうなるか分かりません。民主党がしなければならない事は無党派層を選挙会場に向かわせ、浮動票を手に入れる事です。
小沢一郎氏の政治資金の獲得法が問題になっていますが、何でタダで民主党の主張を広く報道できる、この代表選挙を活用しなかったのでしょう。アメリカの大統領選挙を考えれば1か月かけて代表選挙をやっても良かったのではないでしょうか。鳩山さんが「『友愛』の社会を実現」、岡田さんが「国民のみなさんの『幸せを後押し』したい」、もともと大差ありません、それで良いのです。二人で違った角度から、現状の問題を明確にし、自分のビジョンを繰り返し語れば、何回に1回は無党派層の有権者の目、耳にも達したでしょう。
民主党からすれば自党の代表を決める選挙でしかないかも知れませんが、与野党逆転が起きるか否かの重要な局面での選挙だったのです。口先だけの政権交代に終わらないよう、狡猾に浮動票獲得の工夫をしてほしいと思います。
ダメな物はいくら直してもダメ
助けられた言葉
ビジネス » 職業
中学生になった私は、美術部に入りました。
もともと運動よりも絵や工作が好きでしたが、美術部に入ったのは美術のO先生の人柄にひかれたからだったと思います。職業教師の多い学校の中で、O先生は先生である前に美術が好きで、自分の好きな美術を生徒にも体験させたいという思いを感じさせる先生でした。先生は生徒に絵を描かせるだけでなく、焼き物を作らせたり、彫刻、版画にも取り組ませ、さらに上野の西洋美術館や都美術館、国立博物館で開かれる美術展に私達を連れて行ってくれました。
日頃優しい先生ではありましたが、時として善し悪しを厳しく指導するため、「あの先生はもとは(太平洋戦争時)青年将校だったんだ」というのが生徒の間でのもっぱらの噂でした。
先生は当時珍しいオーナードライバーで、いすゞ自動車が英国企業と技術提携して国産化したヒルマンミンクスという車で通勤していました。当時、乗用車の免許を持っている(まして30歳ぐらいの教師が)こと自体謎めいており、これもO先生青年将校説の根拠になっていました。
さて、美術クラブに入って最初に石膏像のデッサンをする事になりました。ギリシャ彫刻の男性の顔を面取りして単純化したものでした。絵には多少自信のあった私ですが、初めてのデッサン、見よう見まねで描いても明らかに形がおかしい。おかしい事は分かっても、何がどうおかしいのか分からない。あっちを直し、こっちを直しするのですが、大きな改善は見られません。
しばらくして見回りにきたO先生が、
「ダメな物はいくら直してもダメ」
と言いながら、消しゴムで今まで書いた私のデッサンを大きく腕を動かして全て消してしまいました。
「よく見て、始めからやり直す」
ダメだというのは私も分かっていましたが、1時間近く描いたものを、有無を言わさず全部消されて、あっけに取られました。
大学を卒業してソフトウエア開発をするようになり、ダメな物を手直ししても良いものにはならない、という経験を何度かしました。自分がやった事をダメだ、とフンギリをつけるのは難しい事ですが、逆にダメさ加減をはっきりさせて、そのダメさを繰り返さないように新しい取り組みを始める事が必要だと後になって知りました。
付箋を使った読書法
提案!
ビジネス » 職業
私は読書家という程、本を読むわけではありませんが、本を読むのは好きです。小説、ノンフィクション、各種解説書、ジャンルを問わず新聞などの書評で興味を持った物をアマゾンで買ったり、本屋で目を引いたものを何冊かまとめて買います。
本を読むのは好きですが、記憶力の良くない私は下手をすると読み終わった本の要旨が何であったかはっきりしない事がありました。そこで印象に残った文章に線を引いたり、マーカーで印をつけたりしていましたが、本が汚くなる割に役に立たないので、だいぶ前から付箋(ポストイットという商品名の物)を使っています。
この付箋読書法は写真のように、読書に入る前に小さな付箋15、6枚を本の裏表紙の裏側に張っておき、本を読み進む中で印象に残った表現、参考になる考えに裏表紙の裏に貼った付箋をはがして貼り付けます。付箋を本の上側に飛び出させておけば、後から見直したい個所を発見するのは容易です。
鉛筆やマーカーで線を引く方法では、本を閉じれば線を引いた個所が分からなくなるので、ページをパラパラとめくりながら探さなければなりません。また線を引き始めると結局数行にわたって線を引いたり、最初に引いたところより少し先の方が重要だったりするという問題がありました。これに対し付箋方式では常に外から付箋を張った個所が分かり、いつでも貼り直しが出来るので便利です。さらに本を読む時に鉛筆やマーカーを手に持つ必要がない、という事も重要です。これであれば、満員電車の中の読書でも不都合がありません。
若い頃には、読後に印象に残った個所が少ないと損をしたように感じた時もありましたが、一か所でも印象に残る所があれば、目っけ物だと思っています。印象に残った表現、考えを自分の物にして利用できれば数の問題ではなく得なのですから。
北海道の桜
お勧め
ビジネス » 職業
「どこまで行っても千円-経済対策」とは相性が悪いのか、先日北海道に行ってきたのですが、羽田に停めた車のETCカードを抜き忘れ、レンタカーでの道内移動では経済対策の恩恵を受けられませんでした。とは言っても、さすがに雪は無く、一般道を走っても十分スピードは出るのでこの時期、何の問題もありませんでした。かえって雪解けとともに一気に始まる草木の芽吹き、花々の開花を堪能できました。
今年は特に桜の開花が少し早いとの事で、コブシの開花と重なり、一段と山々の景色が賑やかでした。北海道の桜は、もちろん人に植えられた桜もあるでしょうが、山の中の桜は自生のものと思われ、山肌にポツ、ポツと他の木々と混じって生えているのも、東京で見慣れた一面桜の光景とは異なります。また見慣れた大島桜やしだれ桜など、開花と共に花弁を散らす桜とは違い、山桜や千島桜なのではでな花吹雪にならない分、少し長く咲いてくれます。
このように桜自体も違うのですが、一緒に咲いているダンコウバイやアブラチャンなどのクスノキ系の木の黄色い花、白いコブシの花、そしてシラカバやヤナギなどの新芽の明るい黄緑、さらにオンコやカラマツなどの常緑樹の濃い緑、それらの色の組み合わせは印象派のスラーの絵のように鮮やかで、長い雪一色の景色との対比で一層春の訪れを感じさせてくれます。
見事に演出された都会の桜吹雪はもちろん好きですが、山の中で他の木々に負けないよう咲く桜は、時にケナゲで、時に必死で違った趣でした。多分毎年飽きの来ない景色なのでしょう。
夜景 3
お勧め
ビジネス » 職業
飛行機からの夜景は、なんと言っても鳥瞰的な広がりが印象に残ります。
<マンハッタン>
日本からニューヨークへの便はほとんどマンハッタンから車で40分以上離れたJ・F・ケネディー空港へ着くので、飛行機からマンハッタンの夜景を見る事はありません。しかし、一度シカゴ経由でニューヨークへ向かった時にはマンハッタンに近いラガーディア空港に着くことになりました。
シカゴを昼過ぎに出発した飛行機は時差もあるので夕方ニューヨークに着きましたが、西からマンハッタン島を横切りイーストリバー上空を北上してラガーディア空港に向けて高度を下げていったので、マンハッタン島南端のワールドトレードセンター(2001年以前の話です)から、中心部のエンパイアステートビル、そして西のクライスラービルまではっきりと見る事が出来ました。
その間、眼下にビル群の夜景を堪能し、ニューヨーク観光が事前に済ませることができました。米国内の国内便を使ってラガーディア空港に入れば、天候が良ければ最高の夜景を見る事が出来ると思います。
<ディズニーランド>
アメリカでは自家用飛行機が日常的です。少し大きな町には必ず自家用飛行機用の飛行場があります。そこにはだいたい飛行学校があって一般の人が教習を受けに来ますし、(飛行免許のある人には)レンタカーのようにセスナ等を時間貸ししてくらます。私も何度かロス近郊の飛行学校に通った事があるのですが、20分ほど教官から講義を受け、1時間ぐらい飛行教習を受けます。
一度、内陸側で訓練した帰り、ディズニーランド上空を飛んだ事があります。夕暮れ時でしたがシンデレラ城を中心にした夜景を見下ろしたのは思い出です。2001年9月11日以降、ディズニーランドなど多くの人が集まる場所の上空は飛行禁止になったので、これは本当に二度とない思い出になってしまいました。
旧岩崎邸
社会問題
ビジネス » 職業
今年は東京中央郵便局の外観保存が話題になったり、東京駅の戦前の姿への復帰工事が進むなど、都市景観について考えさせられることが多くなっています。
そんな中、しばらく前に修復され一般公開されている明治の代表的な洋館建築、三菱財閥岩崎家本邸を見学してきました。現在はその庭園を含め旧岩崎邸庭園と呼ばれています。上野の池之端、不忍池の西側の丘の上に立つこの洋館は三代目当主の岩崎久彌(イワサキ ヒサヤ)が明治29年に建てたもので、設計はいわゆる「お雇い外国人」のジャサイヤ・コンドル (彼は多くの門下生を育て、日本人を妻に迎え、日本で永眠している) 。 岩崎久彌は初代:彌太郎、二代目彌之助が海運業から起こした三菱の事業を近代化し、新しい事業を興し、財閥の形を作ったと言われています。
洋館の外観は明るいクリーム色で庭園の緑とはアンバランスに思いましたが、これが文明開化の色だったのでしょう。本邸とはいえ来客用のゲストハウスであったので、地下室付きの2階建てとはいえ思ったほど大きくはありません。しかし中に入ると重厚な造り、装飾に溢れ、西洋に負けない建物にしたいと考えただろう久彌の熱意が感じられました。特に金唐紙と呼ばれる壁紙で仕上げられた2階の客室は見事でした。金唐紙とは簡単にいえばローラーに唐草模様を彫刻してそれで厚手の壁紙をプレスして模様を転写、唐草模様に金箔を張ったものです。この壁紙を張るよりも一万円札を貼った方が安いというほど手間のかかる作りだそうです。
見学路は洋館の後、久彌一族の生活の場であった和館(こちらはほとんど残っていない)を通り庭園に出て、終了となります。
庭園に出て洋館を振り返ると、洋館の背後には高層マンションが建ち、豪奢な洋館を見下ろしていました。岩崎邸は戦後米軍に接収され、接収解除後一部は最高裁判所の司法研修所等になったり、民間のマンションになったりで、現在の敷地は当時の1/3程度だそうです。建物は修復できてもかつての邸宅の姿は想像するしかありません。往時の姿を残し、文化財を守るのは難しいものです。
Skype(スカイプ)
お勧め
ビジネス » 職業
40歳を過ぎてから外資の会社に転職し、困った事は何と言っても英語で業務上の打ち合わせをしなければいけない事でした。メールは要領を工夫すれば何とかなりましたが、電話は相手の話が聞き取れなければどうにもなりませんし、いつ掛かってくるかもわからないので心の準備もできません。とくに初めての相手だと「間」が分からないので沈黙が続いたり、言葉がぶつかり合ったりでずいぶん苦労しました。
今でも外国語で、相手の見えない電話で話すのはやはり苦手です。
しかし、4年ほど前英国本社の会社に移った時に良いものを教えてもらいました。Skype(スカイプ)という無料のインターネット電話サービスです。これはヨーロッパで5、6年前に始まったサービスらしいのですが、無料で音声・ビデオ通信ができます。音声は固定電話並みの高品位の安定した音質ですし、ビデオカメラをつなげれば、ビデオ画像を通して相手の状況を見ながら話せるので、通常電話の場合の「間」の不安がありません。最近のバージョンでは複数人の通話もできるので小規模の電話会議さえ出来てしまいます。
もちろんパソコンは必要ですが、ソフトはSkypeのホームページ(http://www.skype.com/intl/ja/)からダウンロードすれば無料です。ヘッドホンとビデオカメラはパソコンショップで、数千円で手に入ります。ホームページも日本語化されているので、説明を順に読んで行けば一般的なパソコン知識でインストールし、使い始めることができます。
このところ突然、豚インフルエンザが話題になり、政府の説明はつまるところ「落ち着いて、慎重に行動してほしい。」としか聞こえてこず、頼りになりません。もし国内で感染が広がるような場合には、Skypeのような無料ビデオ電話を使って仕事する事を考えた方が良いのではないかと思います。「どこまで行っても1000円政策」のお陰で、今年のゴールデンウイークは高速度道路は長距離渋滞です。渋滞を避けて、この機会にSkypeを試してはどうでしょうか。
夜景 2
お勧め
ビジネス » 職業
勤めていた会社の技術部門がロサンジェルスの南、サイプレスという所にあったので、一時期よく顧客を案内して出張していました。その関係でいくつか印象に残る夜景を見る事が出来ました。
<巨大な夜景>
ロサンジェルスの北、小高い丘の南斜面に建つグリフィス天文台。夜景を見るので、暗くなってから行くわけですが、天文台に続く道の入り口が見つからず住宅街をよく行ったり来たりしたものでした。道の入り口にある目印の大きな木が見つかればしめたもの、道なりに道を登ればほどなく天文台です。
天文台からは南側180度巨大なロスの町が一杯に広がります。アメリカの町は基本的には碁盤の目なので、ロスも整然とした、しかし地平線まで眩しいような夜景が続くのが印象に残ります。
<動く夜景>
サイプレス周辺から南は戦後のビジネス地区ですが、さらに海岸線を南に下るとニューポートビーチ、ラグナビーチとビーチが続き、その内陸の山腹には新興の高級住宅地が広がっています。
このビジネス地区と高級住宅地を通って、さらに南のサンディエゴ・ハイウエーを結ぶサン・ジャクイン・ヒル・コリドアというアメリカでは珍しい有料道路があります。この道路は山の尾根伝いに作られていて、南から来るとニューポートビーチの手前で右にカーブを切りながら丘を下りてゆきます。
ラグナビーチで特有のピンクの夕暮れを見て、夕食のあと、この有料道路使ってロスに戻ろうとすると、しばらくして道路が下り坂になり、それまでの星空と反対にニューポートビーチから北のビジネス街の夜景が下から上がるように見えてきます。そして道はカーブしているので、夜景は右下からゆっくり動いて近づいてくるのです。
レンタカーを運転しながらで写真が撮れず、写真が無いのが残念ですが、仕事で疲れた時に元気を取り戻せる夜景でした。
動く夜景の事を書いていて、空からの夜景を思い出しました。
それについては次回お話しましょう。
夜景 1
お勧め
ビジネス » 職業
地球温暖化の問題もあり、夜間の過度な照明は慎まなければならないのかも知れませんが、夜の闇に光る家々の明かりは人をホッとさせ、穏やかに元気づけてくれるように思います。
そんな訳で私は夜景を見るのが好きですが、残念ながら思い出に残る夜景はそんなに多くありません。その内のいくつかをご紹介しましょう。
<新宿西口より西を見る>
30年ほど前になりますが、京王プラザホテルの最上階から西側(山の手線の外側)を見る事がありました。新宿は新宿御苑付近の新宿3丁目で甲州街道と青梅街道が分岐して、そこから放射状に西に向かうので街並みもそれに倣っているようで、放射の中心に位置する京王ブラザから見ると街の明かりが左右に広がって印象的でした。
もちろん、現在では目の前に東京都庁や多くの高層ビルが立ち並んでいるので同じ夜景が見えるとは限らないでしょう。「高層ビルの曙」などと言われた時代の話です。
<函館山から函館市内を見る>
ここは観光名所ですから、説明は必要ないかもしれませんが、地図でも分かるように函館の町は津軽海峡に突き出したキノコのような形をしていますが、キノコの傘の部分の中心が函館山で、柄の部分が市街地になります。従って函館山から町を見下ろすと海の漆黒の中に密集した街の明かりがブローチのように浮かび、特徴的な夜景になっています。
横浜の開港150年が話題ですが、開港という点では函館も開港150年ですから、昔と同じように街の明りが輝いていることを期待します。
次回はアメリカで見た夜景を紹介します。