Profile : 高度成長期に学生時代を過ごし、オイルショックで就職に苦労するも、右肩上がりの80年代をモーレツ社員の一員として働き、気がつけばバブル崩壊、希望退職で外資企業に転身して14年。
「世界の中の、明日の日本と日本人」をテーマにしている56歳。
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Nice to meet you.
英語体験
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東京文京区の印刷博物館(凸版印刷株式会社トッパン小石川ビル内)主催の「戦後教科書のあゆみ展」を見てきました。久しぶりで中学時代の国語、数学や科学などの教科書に再会し懐かしく思うと同時に、戦後6世代ほどある教科書の世代の中で初期の教科書を使っていたのだと、改めて自分の年齢を感じました。
最近の教科書はカラー印刷であるのはもちろんですが、体裁も雑誌のようで、かつての教科書らしさはありません。英語の教科書を見てみると、内容も外国人に会った時の自己紹介から、ハンバーガー店での注文など、3、4回のやり取りを実例にしているのは「改善しているな」と感じました。
学校英語ができなかった言い訳ではありませんが、40年前の英語の教科書は英語を学術的に解剖する方法を教えることを目的としているような、まず実生活では助けにならないThis is a pen.などの文章が並んでいて、英語を通して新しい事を知る、好奇心を刺激するような内容は見当たりませんでした。そういう点では今の学生は恵まれている。
しかし、そこは教科書、作られた会話なので、現実の会話と比べるとやはり物足りなさを感じました。例えば挨拶の場面です。Nice to meet you. My name is XXX.と会話が始まるのは良いとして、2度目に会った時の例がありません。私自身外資の会社で外国人に指摘されるまで気がつきませんでしたが、Nice to meet you.は「お会いできてうれしいです」であって、2度目に会ったときに言うのはおかしい、2度目は「また会えてうれしいです」とならなければいけないのでNice to see you.が自然だ、というのです。
英語として正しいか、だけでなく会話の流れとして自然か、まで配慮した教科書が生まれると良いでしょう。もしくはいっそのこと英語圏で使われている教科書をそのまま使えば良いのではないでしょうか。
スピーキング、ライティング
英語体験
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先週、TOEICのスピーキング、ライティングテスト受けました。
TOEIC(トーイック)とはTest of English for International Communicationの略称で、英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストです。
1970年代、日本企業の海外進出に合わせ日本人の英語によるコミュニケーション能力の向上が必要との認識から、米国留学のための資格試験であるTOEFLなど米国公共機関、学校関係のテスト開発で高い実績を持つETS(Educational Testing Service)に実効性のあるテストの開発が委託され、1979年第一回のテストが3,000人の参加で実施されました。
私が受験したのは1985年ごろですが、当時の参加者は約90,000人だったそうです。現在、世界90カ国で実施され、年間約500万人(国内172万人)が参加している英語コミュニケーション力を10点から990点までのスコアで評価するテストです。
一般のテストはリスニング(45分)とリーディング(75分)の問題をマークシートで回答するテストですが、今回受験したテストは直接コンピュータを使って受験者のスピーキングとライティングの能力を測定するテストです。これは2006年に始まった新しいテストで受験者もまだ年間5,000人程度だそうです。テストの構成は左のようなものです。コンピュータ相手なので多少手まどいましたが、実に実戦的なテストでした。
折しも学校での英語教育改革が検討されているようですが、この試験でわかるように英語の学習の前に、自分の感じた事を能動的に表現する、相手の話を聞いて返事を作る、自分の考えを事例、理由を含めて説明する、といった事が身についていないとコミュニケーションは上手くいかないでしょう。コミュニケーション力を磨くためにどのような訓練が必要か、参考になる試験内容でした。
逆立ちする
英語体験
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自分の英語体験を語っている私ですが、学校での英語は苦手でした、中学、高校と5段階評価で5を取った事はないように思います。特に中学時代はひどかった。授業中何とか先生に指されないように願いました。
そんな私ですが、小学生のころにテレビで良く見たアメリカのホームドラマの豊かな生活への憧れでしょうか、(当時主人公の少年が学校から帰ると冷蔵庫を開けて大きな牛乳瓶から牛乳を飲むのが別世界の出来事と思っていました。)アメリカ人と話がしたいという思いは持っていました。
しかし、学校英語のつまらなさは如何ともしがたく、試験のための勉強をするのがやっとでした。そうして高校2年の時にやっと興味の持てる英語の授業に巡り合いました。だいぶお歳の先生でしたが文法を教えつつも、時々外国事情を交えるなどして「外国」に対する興味を育ててくれました。それまでの能動態の文はこうして受動態の文にする、とか未来形にはwill、be going to及び進行形がある、などといった解剖学的英語の授業とは違っていました。
この事があって、気を入れて勉強するようになりましたが、大学に入って、やらなければいけない事が増えると、また試験のための勉強に逆戻りしてしまいました。結局転機になったのは企業に就職して、仕事の関係で米国に出張しなければならなくなった時でした。付け焼刃でしたが「500語でできる英会話」という教本を探して勉強しました。仕事の合間の限られた時間の勉強では覚えることを絞らなければと考えました。
限られた言葉で意思を伝える、という時に重要なのは発想を豊かにしなければなりません。日本語をそのまま英語にしようとすると、当然難し単語を使わなければいけません。そこで伝えたいイメージに戻って、イメージの重なる単語を知っている単語の中から選びます。無理やりこじつけたような感じはしますが、何とか意思は伝えられます。たとえば、逆立ちする、をstand on my hand.(スタンドオン マイハンド:手で立つ)と言っても何とか通じるのです。
知っている単語を増やす事は英語習得には必須ですが、どちらにしても日本語と英語が一対一に対応しているわけではないので、伝えたい事のイメージを脹らませる練習は後々も役立ちました。
Rocket science
英語体験
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ロケット サイエンス、会話の中では100%否定形で使われます。
つまりThis isn't rocket science. Let's try! 大したことじゃない、やろうョ!とか、That's not rocket science.ありゃ、(言われているほど)大したことじゃない。といった風に使います。
7月20日(日本時間21日)はアポロ11号が月着陸に成功した1969年から40年目でした。40年前宇宙開発は科学の先端、アメリカとソ連の独壇場でした。そのころロケットを打ち上げる事は科学的にも経済的にも正に難事業だったことでしょう。
アメリカは冷戦の中でソ連に大幅に遅れをとった宇宙開発を一気に挽回し60年代末までに人類を月に送る、とケネディー大統領が宣言をして国を挙げてマーキュリー計画(1人乗り)、ジェミニ計画(2人乗り)、アポロ計画(3人乗り)と開発を進めました。ひと月か二月に一度、世紀のイベントが行われるようなもので、毎回興奮したことを覚えています。
1980年頃宇宙開発の拠点の一つであったアラバマ州ハンツビルで仕事をする機会がありアポロ計画の3段式ロケットであった巨大なサターン5型を見る機会がありました(全長110メートルなので横に寝かされて展示されていました)。この重量3,000トンのロケットが空を飛んだのかと思うと、正にロケットサイエンス!アメリカへの自動車輸出が盛んになっていた時代ですが、まだまだアメリカとの差は歴然と感じました。
話戻って、要するにそんな大変は宇宙開発に比べれば、こんなこと大したことじゃないよ、という言い方がいかにも明るく、好きな表現の一つです。
Stretch the truth
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ストレッチ ザ トゥルース 直訳すれば「事実を拡大する」となりますが、仕事の中で聞いた時の私の印象は「事実を良く解釈しよう」といった感じでした。というのは商品のプレゼンテーションについて米国人と話している時に出た言葉だったからです。
彼は「日本人はこれはできない、これをするときにはこういう制限がある、と何でネガティブな表現を使うのだろう」と疑問に思っていました。私は、商品の細かいところまで良く知っていることを示したいからだ、後からお客さんにこればできないじゃないかと言われたくないからだ、と説明しました。しかし、確かに相手が商品を買うかどうかもわからない時に、買ってから文句が出ると困ると心配するのはおかしい事です。しかし日本の技術者はよくこういう説明の仕方をします。
日本人は相手と自分は同じだ、と考えやすいのではないかと思います。自分の説明は100%聞いてもらえる。自分の問題意識は100%相手に伝わる。私がこれは良いと思っているのだから、相手もわかるはずだ。わたしはこれをこんな風に使うので、相手も同じように使うはずだ。というように意外と決めつけてかかる傾向にあるように思います。しかし実際には同じ人などいません。
一方、もともとそれぞれの人は違うと思っている米国人は、ある程度相手の問題意識が違うことを前提にプレゼンするので、相手の関心を探りながら説明をします。相手の関心がはっきりしたらその方向に話を広げていきます。ストレッチしてゆくわけです。
同じことを「これができます、こういう使い方でこんなことができます」と説明することもできます。こうすれば相手の関心事に触れた時に「じゃあ、こういう事はできない?」と核心に迫ることもできるでしょう。たとえ期待されたことができなくても、少なくとも相手の関心事ははっきりするのでリターンマッチを企てることができるでしょう。
「ポジティブに!」というのは簡単ですが、ストレッチ ザ トゥルース 事実を良く解釈して説明しないとポジティブには聞こえないでしょう。
朝の挨拶
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先日の大リーグオールスター戦に出場したイチロー選手が始球式に登場したオバマ大統領と出会って、「What's up!(よう、元気!)と言おうとしたんだけれども、とても言えなかった」といったことを語っていました。アメリカ人は大統領にもWhat’s up!ぐらい言いそうですが、さすがのイチロー選手も日本人だということでしょう。
外国人と仕事するようになって、最初の関門は挨拶です。学校の英語教育で習う挨拶がGood morning. Good afternoon. Good evening.と現実的でないせいか、第一歩から硬くなってしまいます。
仕事で出会ったアメリカ人にGood morning.と挨拶された記憶はないように思います。西海岸の人はまずHi!(やあ)かHey!(よう)でしょうし、南部の人はHowdy(ハウディ よう)というのもよく聞きました。どちらにしてもこの後に必ず相手のファーストネームを付け加えるのが重要です。
日本人は名前を呼ぶことが少ないので、名前を忘れなくなれば朝の第一歩もスムースに始められるようになります。それと挨拶のときには口角をあげて、相手にアイコンタクトすることもお互いの気持ちを和らげるのに有効です。
また仕事仲間にGood morning, Mr. Smith.などと教科書的に言わないほうが良いでしょう。あえてよそよそしく振舞いたい場合を除けば仕事仲間にMr. Ms.は付けないと知合いはアドバイスしてくれました。
メールの書出しも同じです。ときどき社内のメールでDear Mr. Smith,のような書出し出会いますが、本来効率を重んじるメールでは私の米国人の知合いの日常メールの場合100%Hi Jim,や単にJim,で始まっていました。